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“物語の世界をまちに拡げる”山本美希原画展 陸前高田~気仙沼を周遊できる4カ所で

2023年10月12日 13:07  コミックナタリー

コミックナタリー

山本美希マンガ原画展「海辺に散らばる物語を」 DMの表面。
山本美希のマンガ原画展「海辺に散らばる物語を」が、本日10月12日から30日にかけて岩手・陸前高田と宮城・気仙沼の計4会場で同時開催されている。

【展示風景あり】陸前高田~気仙沼に点在する4会場を周遊しながら作品に触れるアートプロジェクト。地方都市ならではの鑑賞体験が味わえる

マンガ原画展「海辺に散らばる物語を」では山本の4作品を4会場に振り分け、それぞれの場所で異なる内容の展示を実施。陸前高田の泊まれる古本屋・山猫堂には「Sunny Sunny Ann!」、気仙沼の日用品と喫茶・ハチワレ堂には「かしこくて勇気ある子ども」、くるくる喫茶うつみには「ハウアーユー?」、気仙沼から橋を渡った先の大島に店舗を構えるnagameには「爆弾にリボン」の原画が設置された。各会場ではマンガに関連した映像作品の上映も行い、書籍やオリジナルグッズを販売する。定休日やオープン時間は店舗ごとに異なるので注意しよう。

「海辺に散らばる物語を」は、気仙沼のまちづくり団体「みちくさできる日常をつくる会」が企画するプロジェクト「みちくさアートレジデンス」の一環。「みちくさアートレジデンス」では毎年、他都市で活動するアーティストや美術作家を招待するアートプロジェクトを展開している。原画展「海辺に散らばる物語を」開催に際して発行されたDMには、「物語の世界をまちに拡げる」というステートメントが記載された。「展示会場の特徴によって、物語の世界が拡がっていく」「物語によって場の見え方が変わるかもしれませんし、私たちの暮らしも少し新鮮に見えてくるかもしれません」と、複数会場を使った展示の意図が解説されいる。

山本美希は、大学教員として文字なし絵本の表現を中心に、絵本、マンガ、イラストレーションについての研究なども行っているマンガ家。大学の卒業制作として執筆した「爆弾とリボン」ではMITSUBISHI SHEMICAL JUNIOR DESIGHNER AWARD 2009日比野克彦賞、「Sunny Sunny Ann!」では第17回手塚治虫文化賞新生賞、「かしこくて勇気ある子ども」では第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。