社会に出てからも学歴は必要なのか。この問いに対して、「必要」と回答したうちの2人のエピソードを紹介したい。40代後半の女性(群馬県/事務・管理/年収500万円)は、「派遣社員、契約社員、正社員、いろんな雇用形態で勤務」した経験があるというが、一体どんなときに学歴が必要だと思ったのか。(文:長田コウ)
「同僚との雑談で『それなら私の大学の頃は~』とか『数年だけ東京にいて~』など東京の大学にいたっぽい雰囲気を出すと、相手が大卒を察し扱いが少し良くなります」
「この程度の大学だとうちの会社ぐらいにしか行けないのか……」
こう綴る女性は、「自己顕示になってしまうかもしれませんが」と前置きしたうえで、学歴について持論を述べた。
「職場を転々とする者としては自分を守るためのものでもあります」
そして最後にこう締めくくった。
「高学歴ではないけれど、大学に進学したことは数少ない人生のグッジョブな選択でした」
また、50代前半の男性(石川県/事務・管理/年収2000万円以上)は早稲田大学卒で、「地方で社員100人程度の会社の経営者」だ。ところが「名の通っている大学からの応募」はなく、「偏差値の低い大学からの入社が100%」であるのが実態だそう。「大事な社員ではある」としたうえで、
「この程度の大学だとうちの会社ぐらいにしか行けないのか……」
と「残念な気持ちを持ってしまうのも事実」と本音を漏らした。
加えて、学歴が給与待遇面とも関係があることを指摘した。男性の「同級生のほとんどが上場会社もしくはその子会社に勤務している」という。
「うちのような地方中小企業では、上場会社もしくはその子会社とは給与待遇面で大きく差があり、比較にすらできない現実があります」
このことから、日本はまだまだ学歴社会と言って間違いではないのかもしれない。