パフ・モータースポーツは2024年、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスにおいて、ポルシェ911 GT3 Rからマクラーレン720S GT3エボへとマシンをスイッチすると発表した。
2021年にGTD、2022年にはGTDプロクラスで年間タイトルを獲得するなど、ウェザーテック選手権で5年間成功を収めてきたカナダ籍のチームは、10月9日に発表されたこの大きな決断により、ポルシェと決別することになる。
■ロードカーの販売でマクラーレンと関係築く
パフはカナダの小売店舗を通じてマクラーレン・ブランドとは長い歴史を持っており、2024年のGTDプロクラスではマクラーレンのメーカー指名エントラントとして参戦する。
また、パフの販売店やタイトルパートナーであるドライブウェイの親会社であるリチア・モータース社は、マクラーレン・ブランドと世界的な関係を築いており、アメリカとイギリスにマクラーレンの販売拠点を複数所有している。
なお、GTDプロに参戦するマクラーレン720S GT3エボのドライバーラインアップは、まだ決定していない。
パフ・オートモーティブ・パートナーズ社長兼CEOであるクリス・パフは、「パフは2012年以来、カナダにおけるマクラーレンの代理店であることを誇りに思っている」とコメントしている。
「2024年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に720S GT3エボプラットフォームを採用することは、マクラーレンのビジネス、レースパートナー、そしてリテールパートナーとしての自信を示すものだ」
「マクラーレン・ブランドの未来に期待し、彼らとともにその未来を築く一員となれることに興奮している」
コンペティションの面でも、パフとマクラーレンはトラックでの成功と遠い存在ではない。
マクラーレン・トロントのゼネラルマネージャーであるクリス・グリーンは、IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジで570S GT4をドライブしており、パフ・モータースポーツも570S GT4を活用して、昨年ザカリー・ヴァニエとともにFELスポーツカー選手権カナダのGT4クラスを制している。
マクラーレン・オートモーティブのモータースポーツ・ディレクターであるイアン・モーガンは、「パフ・モータースポーツをレーシング・パートナーとして迎えることができ、大変嬉しく思っている」と述べている。
「IMSAシリーズは世界で最も注目されているGT選手権のひとつであり、レーストラック内外で強固な歴史を築いてきたチームと協力できることは素晴らしいニュースだ」
「GTDプロのプログラムでチームをサポートし、北米におけるマクラーレン・ブランドと同様に、強力な関係を築いていくことを楽しみにしている」
パフのチームマネージャーであるスティーブ・ボルトロッティは、「マクラーレンの象徴的なレース史の最新章を、エキサイティングなものにしたい」とコメントした。
「来シーズン、彼らとともにIMSAのイベントで存在感を高め、サーキットや小売店で、彼らの情熱的なロードカーの顧客とスポーツカーレースのスリルを分かち合うことを楽しみにしている」
一方、ポルシェは来年もGTDプロクラスに参戦する見込みで、ケリーモス・ウィズ・ライリーとAOレーシングの両チームが、同カテゴリーへのフルシーズンエントリーリクエストを提出したと見られている。