冠婚葬祭のマナーを間違えると、親しかったはずの相手でも縁が切れることがある。関東圏に住む30代の女性は、高校時代にクラスで仲の良かった友人3人と、自分の結婚式を機に縁を切ったと語る。
「一生に一度のことなので結婚式を挙げて良かったです。悲しいことでもありますが、人間関係を見直すきっかけにもなりました」
と打ち明ける女性に、編集部では詳しく話を聞いた。
数年前、30代前半で結婚した女性は、友人3人に結婚式に来てもらいたい旨を知らせたが、そのやりとりはすべて残念なものだった。
「“欠席”に丸だけ付けた返信ハガキが届きました」
まず絶縁した一人目の友人Aは、「ネガティブでメンヘラ気質で、なんでも自分の話に持って行ってしまう自己中心的なところがある」といった人物だった。しかし同じコンテンツの推し活という共通の趣味があり、話が合う面白い人として社会人になってからも月に数回飲みに行く仲だった。しかし
「結婚式に招待したいと連絡したところ、『行きたいけどお金がないから難しいかも』という返事でした」
移動は飛行機を使う距離だったため、女性は「足代は出すつもりだが無理はしないで大丈夫」と伝え招待状を送った。
「その後、特に連絡がなかったのですが、返信締め切りを少し過ぎてから“欠席”に丸だけつけた返信ハガキが届きました。辛うじて“御”の字は消されていましたが、メッセージも謝罪も言い訳も何も書かれていませんでした。もちろんLINEやメールもなし」
欠席の理由は謎のままだったが、後から別の友人に聞いたところ、「A自身の恋愛がうまくいっていない時期だった」ようで、他人の結婚など祝いたくない気持だったのだろうと女性は推測している。
「それでも、私ならハガキに謝罪や欠席の理由を書いたり、お祝いの品を贈ったり、式当日に祝電を打ったりしたと思います。これまでのAの自己中心的な振る舞いが思い出され、『こんなときでも自分のことしか考えられない人なんだ』と思い知り、それ以降疎遠にしました」
祝う気持ち全く示さない友人Aに失望した女性だったが、呆れた相手はAだけではなかった。
「あれから何年も経ちますが、まだ贈られてきていません」
二人目となる友人Bの場合は「仕事で式には行けないが、お祝いをしたいので欲しいものを教えてほしい」と、今度は祝意を示された。
「私は気を使わないでと伝えましたが、あまりに食い下がるので5000円ほどで購入できるコーヒーメーカーをリクエストしました。あれから何年も経ちますが、まだ贈られてきていません。向こうも気まずいのか全く音沙汰がなく、自然に疎遠になっています」
いくら忙しくても祝う気持ちがあればとっくに何かしら届けていたのではないだろうか。
絶縁三人目となる友人Cは、初めは「行く」と言ってくれていた。しかしAとBが行かないと知ったからか、締め切りを過ぎてから「やっぱり行けない」と連絡があった。女性は「それは仕方がない」としながらも、その後届いた返信ハガキが「びっくり」だったと語る。
「なんと鉛筆で『欠席』に雑な丸が書いてありました。もちろん御の字を消すなどの付記もありません。あまりの非常識さにドン引きし、それ以降疎遠にしています」
女性は結婚式の招待に対するマナーについて、こう語る。
「御出席、御欠席の“御”に訂正二重線、欠席なら理由を別途直接連絡し、当日祝電を打つか事前にお祝いを贈る。欠席ならハガキにも理由と謝罪を簡単に書く、返信ハガキの宛名の“行”を“様”に変える、できれば様の右下を永の字にする……など、マナーとして常識ではないでしょうか」
「自分が返信する際はマナーを守った上でイラストやシールなどを貼り華やかにしていたので、鉛筆書きの返信や欠席理由のない返信をもらったときには呆れというより驚きました」
マナーに厳しいという見方もあるかもしれないが、すでに皆30歳を過ぎており、この程度の知識はつけていてほしいところだ。知らないならネット上でいくらでも調べられることで、そこが雑だとなんとなく本音が透けて見えてしまう。
女性は結婚式について「お陰様で本当の友人にも天気にも恵まれ素晴らしい式になりました」と振り返り、
「結婚式を機に高校以来の友人を失ってしまいましたが、幸い部活で仲の良かった友人たちと今も仲良くさせてもらっています 部活をやっていて、部活の交友関係があって良かったと思います。同時に、高校当時の私の“人を見る目の無さ“にがっかりしたエピソードです」
と心情を吐露していた。
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