ネットスーパーは忙しくて買い物に行けない人にとって便利なサービスだが、客の要求を何でもかなえてくれると思われては困る。
ネットスーパーの業務に携わっている関東圏の50代女性は、消費期限内の商品を届けたにも関わらず、「消費期限が切れている」というクレームを受けたことがあるという。
「もやしの消費期限は配達から3日後でした。しかし、配達6日後になって、お客から消費期限が切れているとクレーム電話が入ったんです」
もやしは消費期限内であっても傷みやすい。それをいかにも店側の落ち度のように言ってきたのだからたまらない。このクレームに直接対応したという女性が、編集部の取材に応じてくれた。
「あなたも主婦ならわかりますよね」と上から目線で
女性は購入日を確認し、「消費期限以内の商品を配達しました」と説明した。だが、40代の女性と思しきクレーム客は、まったく納得しなかった。
「上からのきつい口調で、『買って6日後に使う予定だったのに消費期限が切れてます』と言うばかりでした。自分が使いたい日まで持たないから消費期限切れだ、という言い分です。『あなたも主婦ならわかりますよね』とも言われました。でも、もやしがそんなに持つわけ無いし、考えがおかしいですよね」
しかも、この客は何故か自分から「取り替えて欲しい」と要求してこなかった。
「お客様からは『交換して』とは言いません。このような場合はまずお詫びしますが、お客様はこちらから『商品を交換します』という言葉が出るのを待っています」
この客もどこか無茶を言っている自覚があったのかもしれない。店側が諦めて折れてくれるのを待っているなら一層タチが悪い。
「消費期限のもやしが手元にあるかと聞くと『捨てました』と言われました。なので、それ以上は何も言えませんので、商品の確認もできません。いくら説明しても理解してもらえず、もやしのために30分以上はやりとりしましたね」
と色々なことが理不尽過ぎて、女性の苛立ちは募るばかり。結局、社員に交代すると
「主任が、『新しい商品をお届けします』で終わりです。対応が面倒になったんでしょう」
と「お取り替え」が決定。ゴネた者勝ちとなってしまった。
再配達は1つ30円のもやしだけ、送料は500~700円で大赤字
しかも、その「お取り替え」も異様なやり方になった。
「再配達は、お客様のご希望日時に1つ約30円の“もやしのみ”です。お客様は送料無料ですが、配達業者への料金は500~700円発生します。話がまとまらなかったので今回はお取り替えとなりましたが、私としてはピシャッと断らない会社に苛立ちを感じました」
「ネットスーパーの客は自分で商品をみて購入しないのでこんな客が目立ちます」と不満を語る女性。他にも印象的だったクレームを聞いてみると、こんな傍若無人な客もいたという。
「『コタツの部品を購入したい』と電話してきたお客様がいました。取り扱いが無いのでお買い上げいただけませんと言ったら、『テナントの電気屋で買って届けろ』と言われました。お店も違うのでご希望に添えないとお話ししましたが、納得してもらえず『責任者と電話を代われ』と言われ、自分の要望が通らないと私の電話対応が悪いと言われました。さすがに凹みましたね」
女性にはまったく落ち度のないクレームで、気の毒しとか言いようがない。勝手な言い分をぶつけてくる客が悪いことはもちろんだが、店側は従業員を守るために毅然とした対応をしてほしいものだ。
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