自宅から職場は近いに越したことはない。遠いと体力的な負担が大きくなるのはもちろん、デメリットは他にもあるからだ。遠距離通勤に悩む人の声を紹介したい。(文:林加奈)
20代前半の男性(群馬県/ITエンジニア/年収200万円)は、往復90kmの距離を毎日のように通勤しているが、「実家に帰ろうかと思います」と本音を漏らす。
「電車も2時間に1本なので、車通勤です。 非正規労働者です。交通費が全額支給されなく、7000円から1万1000円を超えています。自費。物価高なので切り詰めています。レギュラーガソリンが180円超えです」
男性は燃料費が上昇することを予測し、ある行動に出たという。
「正規雇用なら交通費が足りる」そのために必要な資格を自費で取ると……
「正規雇用なら交通費が足りるので会社が強く勧める資格を取りました。資格の受験費用、交通費は全部自費でした」
資格試験に合格した男性は、会社に交通費の支払いをお願いした。ところが、
「即却下されました。資格を取ったのに正規雇用願いも却下されました。時給は上がると言われて少しイラっとしました。最低賃金が上がれば時給も上がるのも当たり前です。月給は最低賃金水準です」
と、さんざんな目に遭った。確かに、昨今は石油価格が高騰していて、車を利用する人にとってはつらい状況が続いている。これをカバーできるだけの給料が欲しいと思うのは当然のことだろう。それが叶わないのなら、
「IT系なので在宅勤務を実施してほしいです」
「会社に行く、仕事に行くほど足りない分のガソリンは出しているので、すごく嫌な気持ちになり、ストレスが溜まっています。自分の財布からお金を出して会社に行っている状況です」
と、切実な願いを綴っていた。
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