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ジャニーズ会見欠席のジュリー氏がつづった手紙「逃げたと言われることは重々承知」「被害者のケアしていきたい」

2023年10月02日 15:20  弁護士ドットコム

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ジャニーズ事務所が10月2日、都内で開いた記者会見には、前社長の藤島ジュリー景子氏の姿はなかった。代わりに、ジュリー氏が寄せた手紙を井ノ原快彦氏が会見で代読した。以下、全文のかたちで紹介する。


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●「ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」

このたび、おじジャニー喜多川により、性被害に遭われた方々に改めて心からお詫び申し上げます。



5月2日に被害に遭われた方と初めてお会いしました。その後もいろいろと実際にお話をうかがう中で、この方々にどのように補償していくのがいいのか、加害者の親族としてやれることは何なのか、考え続けております。



そして、ジャニーズ事務所は名称を変えるだけではなく、廃業をする方針を決めました。これから私は、被害に遭われた方々への補償や、心のケアに引き続きしっかり対応させていただきます。



おじジャニー、母メリーが作ったものを閉じていくことが、加害者の親族として私ができる償いなのだと思っております。



私は4年前に、母親であるメリーからジャニーズ事務所を相続しました。ジャニーズ事務所は、ジャニーだけではなく、私の母であるメリーも権力を握っていたと思います。ジャニーはメリーからお小遣いをもらうというかたちでしたので、経営的なことはすべてメリーが決めていたと思います。ジャニーと私は生まれてから一度も二人だけで食事をしたことがありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。



ジャニーが裁判で負けたときも、メリーから「ジャニーは無実だから、こちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは、弁護士のせい」と聞かされておりました。当時、メリーの下で働いていた人たちも同じような内容を聞かされて、それを信じていたと思います。



そんなはずはないだろうと思われるかもしれませんが、ジャニーはある種、天才的に魅力的であり、みなが洗脳されていたのかもしれません。私も含め、良い面を信じたかったのだと思います。



そして、母メリーは、私が従順なときはとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと、気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。



20代のときから、私は時々過呼吸になり、倒れてしまうようになりました。当時、病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されております。私はそんなメリーからの命令で、ジャニーズ事務所の取締役にされておりましたが、事実上、私には経営に関する権限はありませんでした。



そして、2008年春から、新社屋が完成した2018年まで、一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません。これは性加害とはまったく違う話で、私が事務所の改革をしようとしたり、タレントや社員の環境を整えようとしたことなどで、2人を怒らせてしまったことが発端です。



ジャニーとも、2008年ごろから2016年ごろまで、ライブ会場ですれ違うことはあっても、会話はしておりませんでした。その後、ジャニーの稽古場に呼び出されて、久しぶりに話しましたが、それ以降も、ジャニー本人に会ったのは数回です。



その期間も、ジュニアからのデビューや、管轄外のグループの解散のプロセスにも関わっておりません。





メリーからは、私の娘である孫に会いたいと切望され、1年に数回、一緒に食事をすることや、お正月には孫と旅行することも決められておりましたが、私自身はメリーと話すことを極力避けて生きてきた人生でした。



このような説明をすると、嘘だとか、親子で仲が良かったのを見たことがあるなど、またバッシングされる記事が大量に流れるのだと思いますが、近い関係者のみなさま、タレントの方々、社員などであれば、こうした事情を知っていると思います。



心療内科の先生に「メリーさんはライオンで、あなたはシマウマだから、パニック障害を起こさないようにするには、この状態から逃げるしかない」と言われ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこに慕ってくれるグループが何組か集まり、メリー、ジャニーとはまったく関わることなく、長年、仕事をしておりました。



このような理由で、ジャニーがいる稽古場とはまったく違う場所で働いており、ジュニアのみなさんと接点もなかったので、今回申し出てくださった中で、私がお会いしたことがあるのは9人です。それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。



今から思えば、ジャニーの親族であり、女性である私に、ジュニアのみなさんはもちろんのこと、タレントのみなさんも噂話をすることや、相談もしにくかったのではないかと思います。



今、被害を申告されている方々の中で、私も含めて現在の役員が、被害者の方々について、直接知る情報は、在籍していたかどうか以外にほぼございません。



そこで、ジャニーやジュニアと私以上に近い距離で接していらした元役員、元社員、そして外部スタッフのみなさまには被害者救済のご協力を、ぜひお願いできたらと思っております。



ジャニーズ事務所は廃業に向かっておりますが、一人たりとも被害者を漏らすことなく、ケアしていきたいと思っております。



知らなかったということを言い訳にするつもりはまったくありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことや、そして、それを放置してきた自分の鈍感さ、すべて私の責任です。



また、今回、なぜ私が100%の株主で残るのかと、多くの方々から批判されました。実は多くのファンドの方々や企業の方々から、私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。



そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのが、補償責任もなくなり、一番楽な道だと何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスをされました。しかし、100%の株主として残ることを決心したのは、他の方々が株主として入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなるとうかがったからでした。



そういう理由で、現在の会社には、株主100%として残りますが、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを外部から招聘し、今後私は、補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切あたりません。



また、今後私は、すべての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続をしたとき、ジャニーズ事務所を維持するためには、事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、すみやかに納めるべき税金をすべてお支払いし、会社を終わらせます。



ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやり切らねばならないことだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います。



最後に、ジャニーズ事務所に所属するタレントをこれまで応援してくださった世界中のファンの方々のお気持ちを考えると、本当に本当に申し訳なく、言葉にもなりません。また、関係各所のみなさま、ご迷惑、ご心配をおかけして大変申し訳ございません。



今日、記者会見に出席せず、このようなお手紙を出すことで、逃げた、卑怯だと言われることは重々承知です。



今回初めて公にお話したメリーは、本当にひどい面も多くあったのですが、優しいときもあり、自分の母でもあり、みなさまの前でお話したいことを過呼吸にならずにならずにお伝えできる自信がなく、このようなお手紙にさせていただきました。誠に申し訳ございません。



改めて被害者のみなさま、ジャニーのしたことを私も許すことができません。心から申し訳ないと思っております。



また、タレント、社員のみなさんが、これから新しい道に思いっきり羽ばたき、みんなが幸せになれるよう、私はそれを後押しできるようなかたちになるよう、精一杯がんばっていきたいと思っております。



どうか引き続きご指導、ご鞭撻をいただきますよう、どうぞよろしくお願いします。