誰もが羨ましく思うタワマンだが、住んでいる当事者にも悩みはあるのだろう。50代前半の女性(東京都/事務・管理/年収1500万円)もその一人だ。
「タワマンに住んでると言うとたいてい聞かれる『何階?』ってやつ」
あるあるの会話だと思われるが、このやりとりがモヤモヤに繋がることもあるようだ。
(文:長田コウ)
「あ、そうなんですね」と気まずそうに返される
「低層階」に住んでいる女性は、階数を聞かれたら正直に答えるが、相手からは「『あ、そうなんですね』と気まずそうに返されます」と打ち明ける。そのたびに女性はモヤっとするのだろう。
「正直言ってうちのマンション、フロアより向きの方に値段がついてるので、わたしの住んでる南側で永久眺望のところは、北向きの高層より高かったし、当然広さによっても変わってきます」
永久眺望とは、ほぼ永久的に眺望が保証されていること。川や公園などに面しているのだろうか。さらに女性は続けた。
「悔しいから近所の人と話す時は『南なんです』と言えるけど、知り合い等にはそんなこと言っても負け惜しみにしか聞こえないため、低層だからと謙遜して流すことにしてます」
自身の葛藤を隠しながら、その場をやり過ごしているようだ。最後には、本心をこう綴った。
「正直言って、今の部屋はとても気に入ってるので、もっと胸を張って低層だと言いたいなとは思います」
女性には、他人の勝手なイメージに左右されることなく、堂々としてもらいたい。