飲食店でクレーマーが、スタッフに無理な要求を叫んでいる場面を見かけることがある。止めに入るのはなかなか勇気がいることだが、東京都に住む50代の女性は
「1人でレストランに入った時のことです。隣の太ったおばさんがお店の人に言いがかりをつけていて……。お店の人がかわいそうだったんで、変わりに仇をうってあげました」
と語る。それは今年7月のこと。日曜日の昼どきでそれなりに混んでいたという都内某所のレストランで、隣の席にいた60代くらいの女性が
「ナポリタンに味がついていないからカレーライスに変更しなさいよ!」
と難癖つけていたという。どんな仇討ちをしたのだろうか。編集部では女性に直接話を聞いた。
「味薄いからカレーにしてよ!」としつこく何回も……
最初に対応していた20代くらいの女性スタッフは困っており、「上司らしき人が出てきました」と振り返る。
「お店の人が、『味見をして味はきちんとついているので変更はできません』と言ったら、『味薄いからカレーにしてよ!』としつこく何回も言ってました。ちょっと声が大きかったので、他のお客さんも皆チラチラ見てました」
と店内はちょっとした騒ぎとなった。しかし、店側としては味が気に入らないだけで代わりの品を提供できるはずもない。
「お店の人も何度もあきらめずに『できません』と伝えてました。すると、『じゃあ、これ
をテイクアウトにしてよ!』と言い出しました」
持ち帰って味を濃くして食べるつもりだったのだろうか。店側はその要求には応えたようだ。
「そこで私が隣でカレーライスをたのんであげました」
ちなみにこのレストランは「メイン以外はバイキング形式」で、クレームをつけた客は他のメニューをおかわりし始めたという。
「サラダバーで生野菜やおかずをおかわりし、スープも飲み干していました。それに、なぜかスパゲティを頼んだのにご飯も食べていましたね。さらに味が薄~いスープもおかわりしていました。私も食べましたが、薄味で美味しいスープでした」
まさか、ナポリタンをおかずにご飯を食べようとしていたのだろうか。そんなクレーマー客に、女性はこんなささやかな「仇討ち」をしたという。
「そこで私が隣でカレーライスをたのんであげました。柔らかい牛肉が入った高級感のあるカレーで、めっちゃ美味しかったです。カレーの匂いがプンプンするので、そのおばさんが私の方を見て『やっぱりカレーが良かった…』とつぶやいていました」
その後、クレーマー客はどうしたのだろうか。
「おかわりをしたスープを飲み干した後、テイクアウト用に途中まで食べたスパゲティを持って、またカレーが食べたかったな…とつぶやいて帰られました(笑)」
隣でカレーを見せつけられ、後悔したまま店を去ることになったようだ。しかし後悔するなら無理な要求をしてスタッフを困らせたことに対して反省してほしい。
女性はこういった理不尽なクレーマーに対して「ばれるかバレないかくらいで、ギリギリで攻めるのが好きです」と話した。
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