2023年09月22日 12:41 おたくま経済新聞
幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2023」。ビジネスデイの9月21日には、NetEase Gamesのブースでおこなわれた記者発表会にて新作ゲーム「Rusty Rabbit」が紹介され、企画原案者の虚淵玄さんが登壇しました。
その後、別エリアで「取材会」も開催。今作が生まれたきっかけなどを虚淵さんが語りました。
「荒野行動」や「第五人格」などを手掛けるNetEase Gamesと、「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO PASS サイコパス」などの脚本を担当した虚淵さんが手を組んで生まれた新作ゲームの発表とあって、会場には多くの人がつめかけました。
「NetEase Games 記者発表会」では、最初にNetEaseシニアバイスプレジデントのイーサン・ワンさんが登壇。NetEase Gamesが東京ゲームショウに参加したのは初めてということもあり、「皆様にお会いできて嬉しい」と挨拶。
そして今後も新しい技術を探求しながら世界トップクラスの作品を開発し、日本だけでなく世界中のゲームプレイヤーにより良い体験を届けていきたいと語ります。
挨拶が終わると、イーサンさんからサプライズプレゼント。新作ゲーム「Rusty Rabbit」のコンセプトトレーラーがスクリーンで公開されました。
「Rusty Rabbit」は、PlayStation5とPC(Steam)向け横スクロール探索型アクションアドベンチャーゲーム。謎に満ちた世界で活躍する可愛いウサギが主人公で、深いストーリー性が特徴とのこと。
映像公開後には、虚淵さんがステージに登場。今回は本格的なハードボイルドに挑んでみようと決めていたそうです。さらに古い時代の頑固でストイック、意地っ張りな男を描きたかったと説明。
「だけど、それだけではつまらないからウサギにしちゃった」と虚淵さん。すると、ここでそのウサギである主人公のスタンプもステージへ。開発者との夢の競演が実現します。
目の前で見るスタンプに、イーサンさんは「とても愛らしくてカッコいい」と絶賛。虚淵さんも「感無量です」と一言。「ぜひ頑張っていただきたい」とスタンプにエールをおくっていました。
記者発表会での紹介後は場所を国際会議場にうつし、「Rusty Rabbit」取材会がおこなわれました。ここでは虚淵さんに加え、開発プロデューサーも同席。まだ開発中のゲームを実際に操作しながら、より詳しくゲームの内容が紹介されました。
ちなみに開発プロデューサーは未発表とのことで、顔をスタンプのうちわで隠して撮影。なんだか不思議で面白い写真になっています。
「Rusty Rabbit」の舞台は、人類が去った数千年後のポストアポカリプスの世界。人類の次の頂点に立ったのがウサギだったという設定となっています。
今作では人類が捨て去った星で巨大遺跡を探索しているスタンプが、遺跡を発掘している中で情報記録端末「ディータム」を偶然発見。遺跡にいくつもあるディータムからいなくなってしまった娘の記録も見つかったことで、娘の足跡を追うべく遺跡の奥へと進んでいくストーリーとなっているそうです。
ゲームの流れとしては、ウサギたちが住む拠点から遺跡に移動して探索開始。その中でパーツを集めて、スタンプや愛機の「ポンコツ」を強化していくというところが大きなゲームサイクルになっているそうです。
ゲームを実際にプレイしながら紹介する開発プロデューサー。武器は「ドリル」、「ショットガン」、「ナタ」、「ハンマー」があり、遺跡現場の状況によって武器を使い分けて探索していきます。
スタンプが操縦する「ポンコツ」が壁を登ったり飛んだりするなど、操作性は自由度が高そうです。ドリルでブロックを豪快に壊していく時は、特に気持ちよさそう。
他にも遺跡にはストーリーにそった遺跡と、ランダムダンジョンといわれる1回だけで完結する遺跡もあり、そこでパーツを集めて強化するなど、やりこみ要素も。ただし、予算オーバーを覚悟でダウンロードコンテンツを含む展開を考えているという裏話も開発プロデューサーから飛び出します。
ちなみに「Rusty Rabbit」は、虚淵さんが2020年ごろにゲーム開発ソフトを駆使して自作したゲームがもとになっているそうです。自分が遊ぶために趣味で作ったものの、どこかがしっかりと作ってくれないかなと考えていたのだとか。
そこに「まんまとNetEase Gamesさんがのっかってくれた」と、意外な経緯を明かしてくれました。また大まかなゲームがすでにできていたこともあり、「企画書も作らなかった」と笑います。
主人公のスタンプには中年のオヤジという設定も。これは虚淵さん自身も歳を重ねた部分があり、若者向けのコンテンツを作る上で感覚がズレてくるだろうなと感じていたそう。それならば、歳を重ねたキャラクターを作ってしまえばいいのでは?と発想の転換をして付け加えたといいます。
開発プロデューサーによると、まだ話せる部分は限られているものの、良い意味でクセの強いクリエイターたちが新しい作品を作っていこうとしているので、期待してくれて問題ないと断言。最後に「引き続き、注目していただけるとありがたいです」と語っていました。
※初出時から一部表現を変更しました。(2023年9月24日更新)
取材協力:NetEase Games
(取材・撮影:佐藤圭亮)