WRC世界ラリー選手権のWRC2クラスに参戦しているグレゴワール・ミュンスターは、9月28日~10月1日に開催される第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』にMスポーツ・フォードWRTから参戦し、フォード・プーマでラリー1デビューを果たす予定だ。先のギリシャ・ラウンドでWRC2チャレンジクラスを制した彼は、チリ以外のラウンドで今季中にプーマ・ラリー1を再ドライブする可能性を示唆した。
ベルギー在住で隣国ルクセンブルクのドライビングライセンスを持つミュンスター。彼がWRC最高峰カテゴリーのデビューに際してドライブするプーマ・ラリー1は、ミュンスターの友人であり、サポーターでもあるジョルダン・セルデリディスが寛大にもシートを譲ったマシンだ。
24歳でラリー1カーを初めてドライブするミュンスターは、チリのグラベル(未舗装路)路面で最高峰カテゴリーの貴重な経験を積むことを第一に考えているが、このベルギー人ドライバーはチリ戦以降のターマック(舗装路)ラリーでもプーマ・ラリー1をドライブする可能性を示唆している。
「うまくいけば、チリの後にターマックでもう1回やれるかもしれない」とWRC.comに語ったミュンスター。
「目標はそれぞれの路面で1戦ずつラリーをこなして、ラリー1がどんな感じなのかを知ることなんだ」
キャリアの初期をドイツのADACオペル・ラリー・カップで過ごしたミュンスターは、WRC第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』も選択肢のひとつとして考えている。このまったく新しいラリーは、ドイツ、オーストリア、チェコ共和国の3カ国またがって開催されるターマックイベントだ。
「それは選択肢のひとつになるかもしれないね」とミュンスターは認めた。
「でもその一方で、昨年はWRC2でラリージャパンを制したから、そこに行く可能性もある。僕は若い頃ドイツでたくさん走っていたし、それがヒントかな」
若いベルギー人は59歳のセルデリディスとの関係についてもWRC.comに語っている。
「彼がいなければ僕はここにいなかっただろう。彼自身もラリーをやっているからこそ、この世界をよく知っているし、サポートなしでトップに立つことがいかに難しいかも知っているんだ。2022年の初めから僕を助けてくれた彼には感謝してもしきれないよ」
「僕たちはベルギー選手権のいくつかのイベントで知り合い、こうして関係を築いてきた。そしてそれは今、ずっと強固なものになっているんだ」