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「しょぼい仕事はできない」ビームス出身のクリエイティブディレクター中田慎介が新ブランド始動

2023年09月21日 13:52  Fashionsnap.com

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 「ビームス(BEAMS)」出身のクリエイティブディレクター中田慎介が、新ブランド「アンライクリー(Unlikely)」を立ち上げた。9月23日から「エイチ ビューティ&ユース(H BEAUTY & YOUTH)」「ビームス プラス(BEAMS PLUS)」などの全国約40店舗で展開をスタートする。

 中田は、2000年にビームスに入社。メンズカジュアル部門の統括ディレクターなどを務め、2023年3月に独立した。現在は自身のブランド「ザ▲ハーミット クラブ(The▲Hermit Club)」を手掛けるほか、様々なブランドやショップの外部ディレクションを担当している。
 アンライクリーは、「コロナ禍で自分と向き合う時間が増えた」という中田が自分のルーツを辿る中でアメリカントラディショナルのファッションが好きだと再認識し、近年人気が落ち着いているアメトラ分野にビジネスチャンスを見出したことでプロジェクトが始動。「これまで自分の活動はビームスの看板ありきだと思っていた」と語る中田だが、ビームスの名前を出さずに携わった「ダイワ ピア39(DAIWA PIER39)」が好調だったことで自分だけでもブランドを運営ではないかと考えビームスから独立し、新ブランド立ち上げに至ったという。

 コレクションではアメトラ・アメカジの要素に加え、「ありそうもない」という意味のブランド名にも表れるように、中田の天邪鬼でポップな解釈を落とし込んだアイテムを展開。ファーストシーズンとなる2023年秋冬では、様々な年代のスポーツコートの特徴を組み合わせたブレザー(9万9000円)やツイードジャケット(12万1000円)、5ポケットジーンズの名作を中田独自の視点で再編集したデニムパンツ(4万1800円)、アメリカ軍などで採用されているミリタリーファブリック「エピック(EPIC)」を用いてクラシックなムードに落とし込んだダウンパーカ(14万3000円/全て税込)など19型をラインナップする。ブランド全体を通して「一見クラシックながら、様々なファッションの要素を組み合わせること」「重ね着をして体温調節をするアウトドアの考え方をファッションに落とし込むこと」をアイデンティティに掲げている。

 ブランドの立ち上げにあわせ、エイチ ビューティ&ユース青山とビームス プラス有楽町では発売記念イベントを開催。ブランドの世界観を表現した内装で新作を販売するほか、商品を購入した人を対象に先着で、名作映画をインスピレーションソースにした特別なヴィジュアルをあしらったポスターを配付する。グラフィックデザイナー 菅谷幸生がデザインしたヴィジュアルは関係者からも好評で、取り扱い店舗に1枚ずつ納品するという。

 ファーストシーズンから40店舗で取り扱われるなど注目が集まる同ブランドだが、立ち上げ時点では具体的な売上目標は設定せず、まずは納品した全店舗でプロパー消化率100%を目指すという。中田は「元ビームスの看板を背負っている以上『しょぼい仕事』はできない。目の前のことに真摯に向き合いながら、ゆくゆくは公式オンラインストアやブランドの世界観を表現できるような直営店などのオープンできたら」と語った。

■Unlikely 発売記念イベントH BEAUTY & YOUTH会期:2023年9月23日(土)~会場:東京都港区南青山3丁目14-17 H BEAUTY&YOUTH AOYAMA BEAMS PLUS会期:2023年9月23日(土)~会場:東京都千代田区有楽町1丁目12-1 BEAMS PLUS YURAKUCHO