2023年09月21日 12:21 弁護士ドットコム
中古車販売大手ビッグモーターの店舗で働いていた外国人労働者が、不当解雇されたなどとして労働委員会に救済申立てをおこなったものの、同社側の都合で期日が決まらず審査が進まない事態になっていることがわかった。
【関連記事:ビッグモーター社員、客を装い営業妨害「おたくの査定キャンセルします」 競合他社が感じたヤバさ】
救済申立てをおこなったのは、横須賀店で勤務していた20代男性。来日後「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て、2022年4月に正社員として入社した。
男性が加入する労働組合「ユニオンヨコスカ」によると、2022年12月に電話で「明日より出社無用」と告げられ解雇された男性は2023年1月に同社に問い合わせたものの、「当社の勧奨による退職」「合意退職のため解雇予告手当は支払わない」との回答を受け取ったという。団体交渉も不調に終わったため、不当労働行為に当たるとして神奈川県労働委員会に救済申立てをおこなった。
7月25日の第3回調査で、次回期日について県労委から8月下旬を提案されたものの、ビッグモーター側は同日に経営陣が保険金の不正請求をめぐる記者会見を開いたことを理由に「明確な回答できかねる」と返答。いったんは労働委員会事務局が連絡して期日を調整することになったものの、9月20日時点でも期日が決まらない状態が続いているという。
男性は、「当時クビにならなければ、ずっとそのまま働いていたかった」と話し、仕事を突然失ったことで「生活に困った」と憤りを隠さない。
ビッグモーター広報は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「個別の案件に関しましては、回答を控えさせていただきます」と回答した。