これまで日本でも手術の際に患者の体内にガーゼを置き忘れる医療ミスが報告されているが、このほどニュージーランドの病院で患者の体内に小皿サイズの手術器具が置き忘れられていたことが発覚した。この患者は手術後になんども腹痛を訴えていたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
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ニュージーランド、オークランド州グラフトンにあるオークランド市立病院で、帝王切開で出産した20代の女性患者の腹部に手術器具が置き忘れられていたことが保健当局の発表で明らかとなった。同国の医療障害委員会(Health and Disability Commissioner)の報告書によると、女性の腹部には直径約6インチ(約15センチ)の「開創器」が残されていたという。
また、今回使用された開創器は切開した患部の体外に半分ほど残しておく必要があり、体内に置き忘れるような事態にならないという思い込みもあったようだ。ニュージーランド政府管轄の公衆衛生機関「Te Whatu Ora Health New Zealand」の一部で医療サービスの提供を管理する組織「Te Toka Tumai Auckland」の責任者であるマイク・シェパード医師(Mike Shepherd)は、今回の医療ミスについて次のように謝罪の言葉を述べた。
「『Te Whatu Ora Health』および『Te Toka Tumai Auckland』を代表して、この患者に起こった事態を深くお詫びするとともに、ご本人やご家族が受けた影響について真摯に受け止めていきたいと思います。このような医療事故は極めて稀ですが、これからも私たちは外科医療と産科医療の質を落とさずに自信を持って続けていくことを国民の皆さんに誓って申し上げたいと思います。」
画像は『New York Post 2023年9月5日付「Dinner plate-size surgical tool found inside woman’s body 18 months after C-section」(Applied Medical Resources)(AP)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)