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新生ディストリクトがUA原宿本店に移転オープン 規模縮小も「良い服を丁寧に販売」強化

2023年09月07日 18:11  Fashionsnap.com

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 「ディストリクト ユナイテッドアローズ(District UNITED ARROWS、以下 ディストリクト)」が、ユナイテッドアローズ 原宿本店(以下、UA原宿本店)2階アネックスに移転し、9月7日に営業を再開した。単独路面店だった旧店舗から規模は約6分の1に縮小したが、「District Clothiers宣言」を新たに掲げ、スローガンに込めた“良い服を丁寧に販売する”を強化するとともに、本店で展開している他のレーベルとの相乗効果を狙う。

 ディストリクトはちょうど23年前の2000年9月7日にキャットストリート沿いにオープン。ユナイテッドアローズの創立者の1人で上級顧問の栗野宏文氏がディレクターを務め、「クリエイティビティ&クラフトマンシップ」をテーマに上質なものづくりを行うブランドをセレクトで販売しているほか、オリジナル商品もラインナップしている。
 移転オープンは、旧店舗が入居していたビルとの契約満了に伴うもので、単独店として継続出店も検討したが、「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」や「ユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)」などのレーベルが揃うUA原宿本店の情報発信力向上を目指し、単独出店ではなくUA原宿本店内への出店を決めたという。体制に大きな変更点はなく、栗野氏が引き続きディレクターを務める。なお、おなじく同ビルで営業していた「ロク(ROKU)」渋谷キャットストリート店も7月31日をもって閉店した。

 移転後の店舗面積は約29平方メートル。旧店舗から大幅な縮小となったが、品揃えは“ディストリクトの核”を表現できるようさらに洗練されたラインナップに絞り込むとともに、取り扱いが重複したブランドは他の売り場に移設するなど、館全体でバランスをとったという。もともとはウィメンズの売り場だったが、レーベルやジェンダーの垣根を越えた新しい提案を館全体で積極的に行っていく方針だ。
 “新生ディストリクト”を打ち出すべく、オープン時のラインナップの大半はセレクトブランド。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「サイ(Scye)」「マンド(mando)」といったドメスティックブランドを充実させた。インポートでは「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」や「ケイシーケイシー(CASEY CASEY)」などを取り扱い、ユナイテッドアローズ社の強みでもあるトラッドマインドを感じさせるアイテムを展開している。
 別注アイテムでは、マンドのセットアップスーツや、「サルヴァトーレ ピッコロ(SALVATORE PICCOLO)」のタッターソールシャツ、「スーザンベル(SUSAN BIJL)」のショッピングバッグなどを取り揃えている。好評だったアイテムをブラッシュアップさせることで、「ディストリクトの濃い部分をかなりぎゅっと詰め込んだ」(ユナイテッドアローズ PR 渡辺健文氏)という。

 店内には過去15年のアーカイヴテキスタイルを用いたアート作品を展示。すべて内製で仕上げたといい、制作過程ではスタッフ間で思い出話に花が咲いたという。「顧客とも過去のコレクションを振り返り、コミュニケーションが生まれるきっかけになれば嬉しい」と渡辺氏。

 「District Clothiers宣言」には「原点に立ち返る」という思いも込めているという。渡辺氏は「一過性で終わってしまうような服を販売していくつもりはない。場所は変わるが、ディストリクトの強みを生かしつつ、長く愛していただけるような嗜好性のある商品を、お客様それぞれに合ったご提案をし続けていきたい」と話した。また、他のレーベルと比べて20代の若年層からの支持が高いことから、若年層への提案も強化していく考えだ。
 なお、8月31日をもってディストリクトの公式サイトを閉鎖しており、今後の情報発信はユナイテッドアローズ公式サイトやディストリクトの公式SNSアカウントを中心に行っていくという。


■ディストリクト ユナイテッドアローズ所在地:東京都渋谷区神宮前3-28-1 ユナイテッドアローズ 原宿本店2F ANNEX