2023年09月07日 07:00 リアルサウンド
何気ないセリフや表情から登場人物の好意が見え隠れする様子を見ていると、思わずニヤニヤしてしまう。7月中旬からX(旧Twitter)上で投稿されている創作漫画『意味がわかると百合になる話』は、ありふれたふたりの女子高生ーー中島と佐々木が何気ない会話を展開するだけのシンプルな内容だが、その言葉一つひとつに思わず笑みがこぼれる、一風変わったラブコメ作品だ。
(参考:漫画『意味がわかると百合になる話』を読む)
本作を手がけるのは、普段はイラストレーターとして活動しつつ、漫画制作にも力を入れていきたいと意気込む作者のまぐたに「まぐすけ。」(@mooosikasite)さん。ついつい頬が緩んでしまい、歪んだ心が浄化されてくれる漫画をどのようにして描いたのかなど話しを聞いた。(望月悠木)
■実は2年前に完成していた作品
――今回『意味がわかると百合になる話』を制作した経緯は?
まぐたに:「意味がわかると百合になる話」ではじめてちゃんと漫画という漫画を描いてみました。実は2年前に突然『コミティアに出てみるか!』と思って、『関西コミティア』に出展するために描いた漫画なんですよね。それまで1度も漫画をちゃんと描いたことがなく、『意味がわかると百合になる話』はある意味処女作と言えます。
――なぜ「コミティアに出てみるか!」と思ったのですか?
まぐたに:私自身かなりの妄想癖があるのですが、「妄想を1度はちゃんと漫画にして形にしたいな」と思ったことがキッカケです。本作では「女の子たちがこんな会話をしているところを目撃してみたいな~」という自分の密かな願望をベースにして仕上げました。ただ、ある意味行き当たりばったりな感じになってしまいました……。
――その妄想の結晶を今になってアップしたのは?
まぐたに:出展を予定していたイベントがコロナ禍で行けなくなってしまい、それからずっとSNSに上げるタイミングがわからず、どこで発表すれば良いのか悩んでいました。今年に入ってから「お蔵入りにしようか」と考えていたのですが、「せっかく描いたんだからみんなに見てもらいたいな」と思い、最近Xに投稿しました。初めてちゃんと描いたオリジナル漫画ですので、アップした当日はもうめちゃくちゃ緊張しました。
■続編の予定は?
――中島と佐々木はどのように作り上げましたか?
まぐたに:とにかく“その辺にいそう”ということを大切にして、「あくまでも普通の女の子達にしたい」と思って描きました。ですので、2人の名字もありふれた名字にしました。
――2人の掛け合いがニヤニヤにする素敵なものでした。会話内容はどのように意識したのですか?
まぐたに:「カフェで隣の席に座っていた女子高生の会話が、よくよく聞いてみたらなんか百合っぽかった」みたいな感じにしました。“ありふれた女子高生のなんてことない会話”を覗き見した結果、幸せな気持ちになってもらえるような、ごくごく自然な会話になるように意識しました。
――現在2話まで掲載されていますが、続編の投稿は予定していますか?
まぐたに:実は描きたい2人の会話がまだまだたくさんあり、メモに眠らせてしまっています。それを順番に形にしていく予定です。中島さんと佐々木さんの会話はこれからも続きます!
――最後に今後の漫画制作の展望など教えてください。
まぐたに:まず『意味がわかると百合になる話』は思った以上に好意的な反応が多く、とても嬉しかったこともあり、今後はこの2人の漫画を中心に制作したいです。この2人を好きになってくれた読者さんが忘れられない程度にちょこちょこXに定期的に上げていきたいと思っています。今後も温かく見守ってもらえると嬉しいです。
(取材・文=望月悠木)