青山剛昌原作による劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」のネタバレ有りの舞台挨拶が、“黒(96)の日”という語呂合わせにちなみ本日9月6日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開催された。
【大きな画像をもっと見る】4月14日に全国公開され、現在も全国の劇場でロングラン上映を続けている「名探偵コナン 黒鉄の魚影」。公開から9月3日までの143日間で興行収入136億円、観客動員数966万人を突破し、劇場版シリーズ26作目にして歴代1位の成績を更新している。大ヒットへの感謝と、同作のメインキャラクターでもある“黒ずくめの組織”になぞらえて行われた舞台挨拶には、江戸川コナン役の高山みなみ、灰原哀役の林原めぐみ、ジン役の堀之紀、ウォッカ役の立木文彦、ベルモット役の小山茉美、バーボン・安室透・降谷零役の古谷徹、キール・本堂瑛海役の三石琴乃が集結。フォトセッション時には、コナンの着ぐるみ、灰原の着ぐるみも駆け付けた。
高山はコナンをモチーフにした衣装、林原らはイベントにちなみ黒い衣装で登場。灰原とコナンによるラストの水中シーンについて、実際に本編を観たときの感想を問われた高山は、「ああいう感じのシーンはこれまでなかったので、単純にキレイで素敵だな、切ないな、そして恥ずかしいなと……照れない?」と思わず、林原のほうを振り返る。林原は役ではなく、自身の目線から観ると「確かに照れるね」と答えながら、「台本を読んだときにすごくびっくりして。自分が肉声にしたことで、1つの正解になってしまうことが怖かった。ただコナンくんへの思いだけではないというか。沈んでいくときの決意としては、みんなを巻き込んではいけない、博士の活躍や探偵団の子たちが帰ったことは哀ちゃんは知らないけど、彼女がずっと背負ってきたものを水の中で一緒に感じよう。彼女のこれまでを辿る気持ちというのかな。(高山と)2人で収録できたから、すごく素直に演じられた気がします」と述懐した。
堀はジンの役作りについて、「『会いたかったぜ、シェリー』って、最初に彼女に言ったのは、杯戸シティホテルの屋上なんですけど、そのとき以来、久々に『会いたかったぜ』って言わなきゃいけないので、どういう言い方をしたのかなって前の作品を観直して勉強しました」と裏話を明かす。立木はジンと一緒にいることが多いウォッカを演じるにあたり、「これまでは『やりましたぜ、兄貴』とか、『どうしました、兄貴』とか、シンプルに片付けることが多かったのに、台本を見たら、これは今までの感じではできないなと。役のヒントを得たのは、堀さんのジンなんですよね。ウォッカはジンに影響を受けているから、おしゃべりなジンみたいな感じでやってみようって思いました」と堀が演じるジンを参考にしたことを明かした。三石はそれを受けて、堀、立木と3人でアフレコしたときの話に触れ、「ジンが合流するとなったときに『兄貴、やっと来てくれた』というセリフをウォッカが言うんですけど、私にはハートが見えました。本番で愛が溢れすぎてしまって、録り直しになったんですもんね」と立木をいじる。続けて高山が「ウォッカって黒ずくめの組織の中では、一番人っぽい」、林原が「血が赤い感じがする」、堀が「かつ丼を食べてそう」と発言するなど、“ウォッカいじり”が繰り広げられた。
ベルモットに関して、いまだに掴み切れていないと話す小山。「青山先生にお会いしたら、彼女の秘密を1つでも教えてもらおうと思っていたです。そうしたら『100億円突破ありがとう感謝パーティー』のときに久々にお会いできて。『私の秘密を教えてください!』と先生に尋ねたら、『小山さん、以前にお話ししてますよ』って。まったく覚えていなくてびっくりしました」と青山とのエピソードを話す。その後青山からベルモットの秘密をしっかり教えてもらったという小山は、「私だけの秘密」と英語を交えながらコメント。すかさず高山から「それ絶対忘れないでくださいね」と返され、会場の笑いを誘った。
さらに、赤井と降谷改め、ライとバーボンの電話越しのシーンについても話が及ぶ。降谷から見た赤井の印象を聞かれた古谷は、降谷のキャラクターボイスで「組織随一のスナイパー、赤井秀一。あいつはFBIのできる捜査官。その部分は認めています。ですが、僕のかけがえないのない友人・スコッチこと諸伏景光を見殺しにしたヤツです。その真相を知りたい。そして居所を突き止めたら、一発くらわしてやりたいと思っています」と言及。またバーボン・安室・降谷の演じ分けについて尋ねられると、古谷は「黒鉄の魚影」での演技を例に挙げ、「コナンに情報を伝えるシーンに登場する『君だったら心当たりがあると思ったんだけどな』というセリフは、それまで降谷零で話していたんですけど、そこだけは安室君の声のトーンのように明るく爽やかに言って、コナン君を油断させて情報を引き出そうと思って演じました」と言い、バーボンについては「ダークでミステリアス、セクシーな雰囲気で、声のトーンを幅広く使って演じた」と伝え、降谷の声は「トリプルフェイスの中でも一番低い声を使っている」と語った。
キールを演じた三石は、彼女について「赤井を撃ってから心配をしていたんですけど、着実に粛々と粛々と任務を遂行しているのかなと思いつつ、黒ずくめの組織の中ではウォッカがカモかなと思って仲良くしています(笑)」と話し、「ウォッカと合流してなかったら、あの2人(コナン、灰原)を助けることができなかったかも知れない」と述べる。「キールがいなかったら助からなかった」と、高山、林原もしみじみ。三石は収録時にも高山、林原からお礼を言われたことを振り返った。最後の挨拶で高山は「映画がクロージングしたとしても、『名探偵コナン』は続いていきます。みんなで一緒にいい作品を作っていければ」とメッセージを贈り、最後はおなじみのコナンのセリフ「真実はいつもひとつ」の掛け声で、イベントは幕を閉じた。
■ 劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」
公開中
原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
音楽:菅野祐悟
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ ほか
製作:小学館、読売テレビ、日本テレビ、ShoPro、東宝、トムス・エンタテインメント
配給:東宝
(c)2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会