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スピード違反の車を停止させた警察官、赤ちゃんの命を救う(米)<動画あり>

2023年09月06日 21:01  Techinsight Japan

Techinsight Japan

規定速度を大幅に超えて運転していた車を警察官が停車させると、パニック状態の男女が「赤ちゃんが死にかけているんだ!」と叫んで助けを求めてきた(画像は『New York Post 2023年9月1日付「Michigan cop saves baby who stopped breathing after pulling over Camaro speeding to hospital」(Warren PD)』のスクリーンショット)
8月29日、パトロール中だった米ミシガン州の警察官が、1台の車をスピード違反のため停車させた。車に乗っていた男女は1歳半の男児を連れており、赤ちゃんが息をしていなかったため、猛スピードで病院に向かっているところだった。パニック状態の母親を落ち着かせながら警察官が冷静に応急処置を行うと、赤ちゃんは再び呼吸し始めたと、米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

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米ミシガン州ウォレン市警察のブレンダン・フレイザー警察官(Brendan Fraser)は、先月29日午後6時頃、パトカーに乗って市内をパトロールしていると、規定速度時速45マイル(時速約72キロ)のところを、少なくとも時速75マイル(時速約120キロ)で走行する青いシボレー・カマロを発見した。

当時の様子をブレンダンさんのボディカメラが捉えており、ブレンダンさんがスピード違反をした同車を停車させ、パトカーから降りる様子が映っていた。その間「助けて! 助けて!」と何度も叫ぶ声が聞こえてくる。

パトカーの目の前に停まった車の方へ向かうと、車内から手を振りながら「助けて! 死にかけている赤ちゃんがいるの!」と叫ぶ声が聞こえてきた。ブレンダンさんは「どういう意味ですか?」と困惑しながらも、無線で仲間と連絡を取っている。運転していたのは男児の叔父で、ブレンダンさんに対して「お願いだ! 行かせてくれ!」と必死に訴えている。

ブレンダンさんは同乗していた1歳半の男児の様子を確認するため、男児を抱き上げた。必死だった男児の家族は「お願いだから連れて行かないで!」と、ブレンダンさんが男児を連れて行ってしまうのかと勘違いして叫んでいたが、「連れて行きませんよ」となだめながら男児の状態をチェックした。

ボディカメラの映像にぐったりとした男児の姿が映り、顔はぼやかされていて確認できないが、青ざめて白目をむき、口からよだれを垂らしている状態だったという。車から降りてきた母親はパニック状態だったが、男児は病院でコロナウイルスに感染していると診断されたところで、それから発作が起きたと説明した。


当初男児の呼吸は止まっていたが、ブレンダンさんが男児の背中を叩くと、浅いものの呼吸が確認でき顔色が戻ってきた。そして別の警察官が応援に駆け付け、男児の様子を確認しながら胸をさすったりして応急処置を行った。すると男児の顔色は良くなり、男児は自ら手を動かした。男児はすぐさま近くの病院に運ばれ、その後、セント・ジョン病院に移って治療を受け、無事に回復した。

ブレンダンさんは「最初に車を見たとき、誰かと競争しているのか、あるいは何かから逃げているのかと思いましたよ。男児が息をし始めて唇に血色が戻ってきたときは、本当に安心しました。改めて映像を見てみると、大変な状況だったと感じます。あの時は訓練通りにすること以外、考えていませんでした」と当時を振り返った。

このニュースを見た人々からは、「男の子が助かって良かったけど、母親や叔父は気が気ではなかっただろうね」「素早い判断ができたこの警察官はすごい」「教科書通りの素晴らしい対応だ」「この警察官は真のヒーローだ」など大絶賛の声が寄せられた。

ブレンダンさんは、「たとえ病院のすぐ近くに住んでいても、特に子どもの緊急事態には911(緊急通報用電話番号)に連絡した方がいいでしょう。担当者が何をすべきか教えてくれるはずですし、救急隊が駆け付けてくれます」と勧めている。



画像は『New York Post 2023年9月1日付「Michigan cop saves baby who stopped breathing after pulling over Camaro speeding to hospital」(Warren PD)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)