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調布の子どもたちが「再生可能エネルギー」の理解を深めるイベントに参加

2023年09月05日 14:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
地域と連携した、持続可能社会の実現に取り組みを行っているNTT東日本が8月5日、調布市内の小中学生を対象にした特別環境学習イベント「再生可能エネルギーってなんだろう」を開催した。



調布市では、2021年に改定した「調布市環境基本計画」に基づき、さまざまな環境施策に取り組んでいる。今年2月には、NTT東日本と「活力ある持続可能なまちの実現に向けた多分野連携協定」を締結し、ゼロカーボンシティの推進等で連携していくことに合意している。


○メタン発酵技術を活用したエネルギー生産型資源循環モデルを体験



イベントの統括を担当した、NTT東日本 東京武蔵野支店・担当課長の伊藤雄介氏によると、調布市と連携した環境学習の取り組みは、2022年6月に市内の小学校で行われた取り組みに次ぐ2回目とのこと。



「前回実施した調布市様との環境学習施策に関心を示していただいた京都大学の大土井先生より、地域社会との連携を強化する取り組みとして、資源循環や液肥について小中学生向けの授業をNTT東日本グループ(ビオストック、NTT東日本)と連携して実施したいとお声がけいただきました。そこで、弊社から調布市様へ昨年6月のイベントの第2弾として環境学習のご提案をしたところ、夏休みのイベントとして検討いただき、今回のイベントが実現しております」と経緯を説明。


今回のイベントは7月中に調布市の市報やホームページ、市内各学校へチラシ等を配布し告知し、参加者を募集。当日は、市内在住の小学2年生から中学3年生までの21名と保護者9名が参加し、メタン発酵技術を活用したエネルギー生産型資源循環モデルを体験した。



なお、NTT中央研修センタに隣接するドルトン東京学園中等部においても6月から環境学習を実施しているが、今回のイベントに際して教室や実験器具等の実験環境の提供で協力している。


○子どもたちの資源循環・環境問題への理解を深めたい



今回のイベントでは、NTTe-CityLabo 内の「超小型バイオガスプラント」を実際に見学し、生ごみから液体肥料(メタン発酵消化液)と再生可能エネルギーを生み出す仕組みを理解する。



大土井氏によるメタン発酵技術に関する講義と実験を行い、有機由来の液体肥料(メタン発酵消化液)と再生可能エネルギーであるメタンガスが創出される過程を学ぶという、6月からドルトン学園中等部でも行われている環境学習授業を3時間に凝縮した内容で、参加者は小中学生を対象にしているが、伊藤氏はその意図と狙いを次のように説明した。



「今後、多様な環境問題を解決し、持続可能な資源循環型社会を作っていくためには、市民一人ひとりが日常生活や事業活動において環境に配慮した行動を実践していくことが重要と考えています。この度の食品残菜から液体肥料、メタンガスを生成する取り組みについて、次代を担う年代に実際に体験していただきたいことから、参加対象を小中学生としています。なお、参加者への配布資料については、小学生用・中学生用の2種類を用意し、小学生低学年のお子様にも分かるように丁寧に説明を実施しました。参加した子どもたちが今回の取り組みを通じて、資源循環・環境問題について理解や興味を深めていただくとともに、さまざまな社会問題に目を向けるきっかけにしていただくことを期待したいと思っています」


イベント終了後、参加したある親子からは次のような感想が語られた。



「今日はいろんなことが知れて楽しかったです。特にプラント見学が印象に残っています。発電できる量やガスタンクに貯蔵できる量に驚きました。メタン菌は馬糞が中心だったり食べカスが中心だったり原料の種類によって臭いが違うのも印象に残りました。化学肥料よりもメタン菌のほうがいいと思いました」(小学4年生の児童)



「フードロスをしないようにしなければならないですが、食べかすがいっぱいあってもこうやって再生エネルギーになっているというのは面白いですね」(児童の父親)


イベントの最後は、屋外でプランターに小松菜の種を撒き、有機由来の液体肥料(メタン発酵消化液)を与える体験も。資源循環を実体験することで、環境保護への一層の理解醸成を図るのが狙いだ



神野恵美 フリーライター・編集者。ワーキングマザーとして10余年、世の中にあるさまざまな便利ガジェット・ツールを駆使して、生き延びる。趣味は料理に掃除、洗濯と野球、旅行、音楽や映画鑑賞などなど、周りが呆れるくらい趣味人間。"モノ"より"コト"優先で生きてる。 この著者の記事一覧はこちら(神野恵美)