労働環境や人間関係があまりにもひどいと、仕事を続けるのは難しい。今回は、コンビニの麺製造工場を3日で退職した埼玉県の30代後半の女性(その他/個人事業主/年収100万円未満)の体験談の後編をお届けする。(文:コティマム)
女性は週5日、20時から翌朝5時の夜勤帯で工場勤務をすることになった。契約では1時間休憩の8時間勤務で、朝5時に終業する条件だった。しかし実際に勤務してみると、初日は工場に入るための専用の靴が用意されておらず、2日目は外国人スタッフに囲まれながら冷やし中華を作る作業を行った。
うどんの作業で休憩は勤務8時間後「さすがに有り得ない」
慣れない作業にフィリピン系スタッフから怒鳴られ、日本人の社員からも舌打ちされるなど、険悪なムードの中で働いた女性。さらに休憩は7時間働いた後にやっと取れる状態で、さらに残業も頼まれてしまった。
そして迎えた3日目。今回はうどんを作る作業に入った。
「途中から日本人の中年女性が近くにいて、いろいろ話しました。『ここはおかしな人しかいない。おかしな会社だよ。うどん踏んで滑って転んで骨折したこともある。でも私は歳だし、他の仕事を探してはみたけど、どこも受からなかったから仕方なく続けてる』と言ってました」
その日の休憩がとれたのは8時間後。「さすがに有り得ないと思いました」と振り返る。
終業時刻に抜けると「うどんの女何やってんだ!戻れ!」
この時点で女性は退職を決意した。
「5時に近付き、『やっと終わる。辞めますと言おう』と思っていると、5時を過ぎても私の持ち場に代わりの人が来ません。『私5時までなの。社員さん呼んで』と、カタコトが話せるベトナム人に話すと、『無理!無理!』としか言いに来ず。『何が無理なの?』と聞いてもわかりませんでした。持ち場を抜け出し社員を探すと、放送で『うどんの女何やってんだ!戻れ!』と言っているのが聞こえました」
女性は放送で呼ばれながらも、男性社員を見つけることができた。
「社員に、『5時までだから帰ります』と言うと、『勝手なことするな!』と怒鳴られ、『労働基準監督署に通報する。残業してもらえませんか?とまず聞くものだろ?』とその場から逃げ、出口に走りました。着替えて事務所に行き、『今日で辞めさせて下さい。誰に言えばいいですか?(朝の)9時頃、事務所に電話すればいいですか?』と(その場に)いた者に聞くと」
女性の話を聞いた人物は、インカムで男性社員に連絡をとった。
「先程私が文句を言った社員男性に、『〇〇さん、辞めたいって人がいるんだけど』と話し始めたので、『その人と話すことはない!労働基準監督署に通報します!』と制服を置いて逃げて帰りました。給料は普通に振り込まれ、しばらくして源泉徴収票も郵送で届きました」
結局、通報しなかったが…
3日目に逃げるようにして辞めた女性は、「こんなにもブラックな環境で働いている外国人が沢山いて、だまされて日本に来た人もいるのかもと思うと、複雑な気分でした。日本語がわからないから文句も言えず、助けも求められないのかもと思いました」と綴る。
女性は工場の仕事について、「まともな日本人は『やばい』とすぐ辞めるでしょうね」と言い、「コンビニで冷やし中華やうどんは買わなくなりました」と語る。しかし女性は、その工場について労働基準監督署には通報しなかったという。
「友人の父がそのコンビニのオーナーをしているので。(中略)こうやってブラックな環境でないとシステムが機能しないのだろうと思うと、できませんでした」
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