二人の門出を祝うはず結婚式で、「花嫁が途中で消える」などあり得ない事態だ。ところがそんな驚きの披露宴を「新郎の友人」として目撃した40代の男性が、編集部の取材にその一部始終を語った。それは今から10年ほど前のこと。
「新郎新婦は私と数名で主催するSNSのコミュニティのメンバーでした。2人はコミュニティのイベントで出会い、その後、新婦からの猛烈な押しがあって交際に至ったと新郎からは聞いています」
そんな二人の結婚式に異変が起きたのは、披露宴の真っ最中のことだった。
「新婦のお色直しのため、新郎と新婦が退場したのですが、そのまま新婦だけ戻って来ず、新郎のみ戻って来て披露宴が続けられました」
新郎のみのキャンドルサービスで「撮影タイムです」
異常な事態に司会者からは「新婦は体調不良で病院へ行った」「病院から戻ったら再び参加する」と案内があった。
「披露宴に招待された人は100名以上いたのですが、司会の案内を聞いて会場内は少しざわつきました。新婦が妊娠していたこともあり、参加した人たちは私も含め、その説明を信じて心配していました。私と同じテーブルにいた新郎側の友人たちも、新婦のSNSの内容から、妊娠中の体調や彼女が披露宴へ懸ける情熱の強さも知っていたので、お酒や料理を楽しむような雰囲気ではなかったです」
披露宴はその後、キャンドルサービスなどのプログラムが「新郎のみ」で行われた。もちろん招待客たちは戸惑いを隠せなかった。
「司会から『撮影タイムです』と言われても会場内の人は腰が重く、新郎側の親族のみが撮影するなど結構気まずい雰囲気でした。新婦の親への手紙の朗読や、新婦側の親族が不在で出し物の一部が中止になりました。しかし司会が一切触れることなく進行していったので、他のテーブルの人たちも『あれ?』と言った表情で周りの人と顔を見合わせていました」
このとき、新郎も彼女が去った本当の理由を知らされておらず、妻を心配していた。お色直しのあと男性が友人と新郎のもとへ行くと、「新婦が戻って来なかったら病院に様子を見に行きたい」と答えたそうだ。
男性は披露宴の後の二次会の準備をしていたが、「結局主役の2人は二次会に参加せず、この会は何の会?みたいな雰囲気でした」と当時を振り返った。
「こんなので一生写真に残るのは嫌だ」と散々泣き叫んで一人で帰宅
しかし男性は「新婦が退場した本当の理由」を、しばらくしてから知ることになる。
「真相はこうです。新婦がお色直しのウェディングドレスを『やっぱりこっちがいい』と直前になり変更したが、別の地域の店舗にあったため会場までの取り寄せが当日になりました。しかし当日になって『写真と色が違う』『形が想像と違う』『こんなので一生写真に残るのは嫌だ』などと言い出し、散々泣き叫んだあと勝手にタクシーを呼んで一人で帰ってしまったのです」
一生に一度の晴れ舞台で気に入らないドレスを着たくなかったのだろうが、大勢の招待客を置き去りにして一人帰宅は度が過ぎる。実は準備の段階から、新郎は新婦に振り回されていたという。
「新婦のこだわりが強く、予算オーバー、決め事が二転三転するなど、かなり新郎側は苦労していたようです。新郎が新婦の親に相談するも『一生ものの行事なのだから娘の好きにさせてやって欲しい』と話にならなったそうです」
新郎は「病院へ行った」という建前上の理由も司会の案内で知ったという。結局
「この結婚式のあと、この夫婦は子どもの出産を待たずに離婚しました。 離婚の際もかなり揉めたようです」
という残念な結末となった。
なお、子どもは無事生まれ、新婦が親の助けを借りながら育てているそうだ。新郎は、今は別の女性と再婚しているという。
男性は、「過去の苦い経験として彼の中では気持ちの整理がついていて、今ある家族を大切にしていると言ったところではないでしょうか」と友人の心境を推測する。「私にも離婚経験があり、彼の気持ちには共感できるところもあるので、今では話題に出すこともないです」とのことだった。
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