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関東鉄道、線路内の物体をAIで高精度に検知するシステムの実証実験

2023年09月02日 09:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
関東鉄道、コシダテック、ヤシマキザイ、NTTコミュニケーションズの4社は、線路内に滞留する物体を高精度かつリアルタイムに検知する「踏切内AI滞留検知システム」を活用した実証実験を海老原踏切道(守谷~新守谷間)で9月1日から開始すると発表した。


踏切事故のうち4割は歩行者の「渡り遅れ」に起因している。一般的に、各鉄道会社は線路内にとどまる物体を検知する「踏切支障検知装置」を設置して踏切事故対策を行ってきたが、自動車など大きな物体は高精度に検知できる一方、自転車・ベビーカー・車いすやそれらの帯同者など、小さな物体については検知精度に課題があった。



今回の実証実験は、関東鉄道常総線守谷~新守谷間の海老原踏切道付近にネットワークカメラを取り付け、撮影した映像を5Gネットワークで伝送し、AI解析を実施。線路内にとどまる物体を大小問わず高精度かつリアルタイムに検知する。物体を検知した場合、施設管理者へアラート通知を行う。カメラで取得した映像は一定期間蓄積するため、遠隔地からの現場確認用カメラとしても活用できる。実証実験の期間は2024年3月31日まで。関東鉄道をはじめ、「踏切内AI滞留検知システム」を開発したコシダテックを含む4社が共同で行う。



4社は実証実験の結果を踏まえ、システムの有効性を確認するとともに、線路内の物体を検知した場合に運転士へアラート通知する機能など、システム改修を図る。その後、同システムの導入について鉄道各社への提案を行うとしている。(佐々木康弘)