9月2~3日に、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第5戦『もてぎスーパー耐久 5Hours Race』は、8月31日に特別スポーツ走行がスタートしたが、ST-Qクラスに参戦するORC ROOKIE Racingは、この第5戦に向けて画期的なレーシングカーを投入してきた。『ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept』という車名をもつ32号車GRヤリスは、車名内にもある『DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション』というATミッションを搭載している。初日の走行を終えドライバーに聞くと、驚くべきインプレッションを教えてくれた。
ORC ROOKIE Racingは、スーパー耐久でTOYOTA GAZOO Racingとともに『もっといいクルマづくり』をコンセプトとし、開発車両が参加できるST-Qクラスを活用し、これまでさまざまな挑戦を続けてきた。特に意欲的な挑戦の舞台とされているのがMORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏という4人で参戦している32号車で、今季は液体水素を使用したORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptを投入。第2戦富士24時間では、事前に予定されていたポンプ交換をのぞけばトラブルなく完走し、第4戦オートポリスでも劇的な進化をみせた。
ただ、液体水素のGRORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは第3戦には参加しなかったように、期間を設けて開発が進められている。今回の第5戦には液体水素車両は登場しなかったが、代わって意欲的なメカニズムを搭載したGRヤリスを投入してきた。
これまでもチームはGRヤリスを走らせてきたが、今回投入されたORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptは第3戦までとカラーリングも異なるとおり違う車両で、車名のとおり『DAT』を搭載している。TGRラリーチャレンジ等でテストが繰り返されてきたもので、開発に2年をかけてきたという。これまでスーパー耐久に登場してきたGRヤリスはもちろんMTだったが、この車両は通常のオートマ車と同じシフトノブ、そしてステアリング裏にはパドルシフトがつく。
今回投入されるORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptで培われたものが、今後市販化に繋がるのかはまだ分からない。また技術面などの詳細は週末にもアナウンスされるはずだ。ただ、ドライバーたちのインプレッションだけでも、非常に楽しみな参戦であることはうかがい知れるだろう。ぜひ第5戦もてぎでは、そのエキゾーストノートから知ることができるシフトタイミングを、ST-2クラスのGRヤリスと聞き比べてみたいところだ。