Text by CINRA編集部
ドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント 猛火の先に~京アニ事件と火を放たれた女性の29年~』が9月1日25:25からカンテレで放送される。
同番組は2019年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件の青葉真司被告の主治医を務める上田敬博教授(鳥取大学医学部附属病院)ら医療チーム、自身も放火事件の被害者である新全国犯罪被害者の会「新あすの会」の岡本真寿美さんに密着したもの。被告を裁判に向かわせる上田教授ら医療チームと、被害者の補償制度を整えようとする岡本さんへの取材から、加害者・被害者にまつわる日本の課題を考える。
ナレーションは俳優の伊藤淳史が担当。上田教授らと同じ救命救急センターが舞台となったこともある『チーム・バチスタシリーズ』で主演を務めた伊藤は「僕も、一刻一刻を争う中で目の前に対する命に向き合おうと思って演じたので、このドキュメンタリーの医療チームの心境には共感するところもあります。人の命を救うという、“医師としてすべきこと”に全力を尽くした彼らは何も悪くないのに今も悲しみや苦しみを抱えています。事件に関わったさまざまの立場の人の複雑な思いを心に刻んでもらえたら」と見どころを語り、「事件を扱う番組を見られない被害者やご遺族の方もおられるはず。そのことも胸に刻んで、やらせていただきます、と思って収録に臨みました。このあってはならない事件が忘れられてはいけないという思いです」と、同番組への覚悟を見せた。最後に「一番ケアをされるべき被害者にここまで補償がされていない現実に驚きました。被害者に対する救済が見直されればと思いました」と願いを語った。