仕事を辞めたくなる理由は一つや二つではなく、さまざまな要因が重って退職にいたる。ブラック企業で退職者が相次ぐのも、給料や労働環境など複数の理由があるからだろう。投稿を寄せた40代前半の女性も歯科助手としてブラックな職場に入ってしまい、後に退職した一人だ。(文:林加奈)
女性によると、その歯科医院の面接では「残業はそんなにない、勉強会やミーティングは月2回ぐらい」と聞いていたというが……。
「時間外で仕事を指導してもらっているときは時給が発生しない」
歯科助手だった女性は、
「働いてみると勉強会に参加しても手当一切なし。しかもほぼ強制参加。参加したらレポートを書かないと交通費が貰えない。また、最初に時間外で仕事を指導してもらっているときは時給が発生しないと言われました。そんな勤務を3か月続けました。コロナ禍になってから勉強会がオンラインで行われるようになり、参加したくないというとしつこく理由を聞かれる」
と不満を綴った。他にも、職場の雰囲気の悪さが伝わるエピソードがあるという。
「自分の気に入らない行動をすると延々と怒られる。有休もパートは取らせてもらえない。3年ぐらいの間に10人以上が辞めて、みんな簡単に辞めさせてもらえない」
「自分は何もしなくても、金さえ儲かればいいという考え」の経営者
経営者は、従業員がすぐに辞めてしまうのなら必死に引き留めるのではなく、仕事を続けられるように環境を整えるべきではないだろうか。「自分(経営者)は何もしなくても、金さえ儲かればいいという考えで、こちらのやることがどんどん増えて精神的にしんどく」なったことがきっかけで退職を決意した女性。最終的には退職代行を使って辞めたという。
「そのとき、穏便に済ませたいのか、労基に行かれたくないのか、たまっていた有休分の給料をくれました。また、時間外労働で無給については『私そんなこと言ってない』とシラを切る有様。今でも求人が出続けています」
退職時に有休の給料を払っているくらいだから、経営者は後ろめたいことをしている自覚があるのだろう。退職代行を強行した女性の判断は賢明だったのかもしれない。
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