一方で第4戦富士を終えた段階でランキングトップ3を占め、この鈴鹿に“ヘビー級”のサクセスウエイトで臨んだStudie BMW M4、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、muta Racing GR86 GTはどうレースを戦ったのか。決勝後の3チームに話を聞いた。
■予選好走も決勝は「簡単ではなかった」Studie BMW M4 第4戦富士を終えた段階で、40ポイントを獲得し単独首位に立っていたStudie BMW M4の荒聖治。第3戦と第4戦では欠場のブルーノ・スペングラーに代わり柳田真孝が助っ人参戦を行い、赤旗終了の第3戦で優勝、ダンプコンディションの第4戦ではミシュランタイヤのアドバンテージを活かし、サクセスウエイト75kgながら2位表彰台に上がる活躍をみせた。
荒は、クルマのバランスは悪くないものの「全体のスピードがもう少し必要なのかなと感じます」と厳しい表情をみせる。決勝では5周目終了でいち早くピットインする戦略を採ったStudie BMW M4だが、最終的には16位でレースを終え、ランキングでは優勝を飾った小林/小出組のUPGARAGE NSX GT3に同ポイントで並ばれる結果になった。
迎えた決勝では第1スティントを担当した名取が好走をみせ、15周目にはK-tunes RC F GT3をかわして5番手まで浮上してくると、24周目にピットインしオリベイラにドライバー交代。その後も2分3~4秒台の安定したタイムで周回を重ねていたが、45周目(GT500の50周目)のバックストレートで右リヤタイヤが外れてしまいコースアウト、130Rアウト側のバリアにクラッシュしてしまった。
■アンダーカット成功のmuta Racing GR86 GT「完全に僕のミス」 そして、第4戦終了時点でトップから10ポイント差のランキング4位につけていた堤優威/平良響組のmuta Racing GR86 GT。こちらもサクセスウエイト90kgを積みながら予選ではQ2に進出し、14番グリッドから決勝に臨んだ。
レースではStudie BMW M4と同様に5周目終了でピットインしたmuta Racing GR86 GTは、その周回にピットに入ったマシンの先頭でコースに戻ることに成功。その後も第1、第2スティントを担当した堤が徐々にポジションを上げていくと、アンダーカットを成功させて27周目にはクラストップに躍り出る。
第1戦、第5戦での優勝以外はノーポイントでランキング首位浮上のUPGARAGE NSX GT3に対し、着実にポイントを獲得してランキング上位を占めるStudie BMW M4、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、muta Racing GR86 GTの3台。シーズンの最後に笑うのは誰になるか、接戦が繰り広げられるGT300クラスから目が離せない。