2023年08月28日 11:01 弁護士ドットコム
お笑いコンビ・Hi-Hiの上田浩二郎さん(49)が8月26日深夜に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京)に出演し、「知らない間に、離婚届出されてまして…。2カ月、気がつかなかったんですよ」と、離婚したことを発表した。上田さんはタレントの原杏奈さんと2020年9月に結婚していた。
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離婚届のサインは以前「喧嘩した時に書いていた」というが、提出されたことは知らなかったと説明した。放送後、自身のX(旧ツイッター)で「僕みたいな人間と一回でも結婚してくれた元奥さんに感謝しかないです!」と投稿しており、離婚を争うわけではないようだ。
とはいえ「勝手に提出された」という点について、ネットでは疑問の声もあがっていた。離婚届を書いたのは本人であり、偽造とはいえないが、このような場合でも離婚は成立するのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
——上田さんは離婚届を自身で書いていたとのことですが、勝手に出されたとしても、提出した元妻が刑事処罰を受ける可能性はないのでしょうか
仮に離婚届をご自身で書いておらず、署名を偽造して勝手に提出されてしまった場合には、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の各罪に該当します。
しかし今回は偽造したとは言えず、刑事上の責任は問えないでしょう。
——離婚を無効にすることはできないのでしょうか
形式的に整っていれば、役所は受理します。一旦受理されてしまった離婚を無効にするには、裁判所に調停や訴訟を申し立てる必要があります。
離婚自体には異議はなく、離婚届の内容に納得いかない点がないのであれば、離婚の無効を求めず、慰謝料の請求をし、その際に、離婚届の無断提出についての精神的苦痛を訴えることが考えられます。
——弁護士ドットコムには「勝手に離婚届を出されてしまうのではないか」との相談が時折、寄せられます。このような場合、なにか対処法はあるのでしょうか
そうした不安がある時は、本籍地の役所に「離婚届不受理」を申し立てるとよいでしょう。
上田さんのように喧嘩の際に離婚届を書いて相手に渡してしまうケースはありますが、相手もそれに応じて提出してしまった場合、無効にすることは大変です。一時の感情で、安易に離婚届を書くことがないよう注意してほしいと思います。
【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp