その第3戦で勝利し“前回ウイナー”として挑むトヨタ陣営は、今季限りで引退を表明した立川祐路の38号車ZENT CERUMO GR Supraが最上位5番グリッドからの勝負に。戦績に応じて課されるサクセスウエイト(SW)が88kgとなり、燃料流量リストリクターの最大ランクダウン領域に入っている36号車au TOM'S GR Supraが、最後尾からどこまで巻き返すかにも注目が集まった。
その後も14周目に37号車Deloitte TOM'S GR Supraが、続くラップでは100号車STANLEY、さらに39号車DENSO KOBELCO SARDもと、立て続けにタイヤ交換と給油に向かい、レース距離3分の1を前に続々と作業を決断する車両が相次ぐ。
■レース後半もバトル続出。レース後の正式結果で23号車が失格
そんななか、トラック上では気合のこもった走りを続ける38号車ZENT立川が、15周目のターン1で64号車を捉え、表彰台圏内の3番手に浮上する。さらに18周目突入でピットに向かった14号車ENEOS X PRIME GR Supraは、ここで山下健太から大嶋和也にドライバーをスイッチする判断をみせ、ドライバーあたりの義務周回数の関係から、最後のスティントはふたたび山下に戻す戦略を採用。一方、ここまで首位を快走した23号車は続くラップで31.4秒の静止時間で作業を終えたものの、引き続きロニー・クインタレッリのままコースへ戻っていく。
コース上ではピット未消化でレース距離3分の1のセオリーまで行こうという上位5台に対し、先行して1回目の義務を消化した16号車がヘアピンのブレーキングで19号車WedsSport ADVAN GR Supraをオーバーテイク。実質首位のクルマがポジション上でも5番手を奪っていく。
その後も直線速度の如何ともし難い差に苦しめられた千代は、34周目のスプーン脱出からバックストレートで14号車ENEOS X PRIMEと100号車STANLEYに一気に先行されると、続くシケインで17号車Astemoの塚越広大にも抵抗できず。さらに35周目のターン1までに37号車Deloitte TOM'S GR Supraや64号車Moduloにもオーバーテイクを許す苦しい展開となってしまう。
最終スティントを通じて約10秒前後のマージンで推移した16号車が77周のチェッカーを受け、NSX-GTが鈴鹿大団円を飾る今季初優勝に加え、大津がGT500初優勝を飾った。2位には第3戦鈴鹿大クラッシュの悪夢を払拭した23号車が続いたが、車検終了後の正式結果でGT500テクニカルレギュレーション3.22.4A『スキッドブロックの規定違反』により失格に。この結果、12番手スタートから終盤まで耐えに耐え抜いた39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが大躍進の2位となり、3位は14号車ENEOS X PRIME GR Supraとなっている。