働いていれば理不尽なことは色々ある。例えばチェーン展開する小売店では「本部の方針に逆らえない」という前提があり、独特の厳しさ、虚しさを感じることがあるという。全国展開のドラッグストアで勤務する40代の女性は、売り場責任者の立場で本音をこう語る。
「小売業ではよくあることなのですが、現場の人間が発注するものとは別に本部から勝手に送られる商品があります。適正な数量ならまだしも、とんでもない数で送られるときがあります」
「先日は週に2、3個しか売れないカップラーメンが120個送られてきて、怒りと絶望を感じました」
と憤りを抑えきれない様子の女性に、編集部では詳しく話を聞いた。
本部から数を割り当てられて各店に商品が送られてくる
女性は現在、「副店長」として働いている。「店の売上や数字を勉強したことで、いろいろなことが見えてきました」と明かす。本部から送られてくるものとは、どういった商品なのか。
「各店には発注ではなく本部から数を割り当てられた商品が、ほぼ毎週送られてきます。メーカーとの商談で決まったものや特売品、新商品などで、ものは食品、洗剤、医薬品、化粧品など様々です」
ドラックストアは扱う商品数も多いのに、各店の都合は関係なしに一方的に「割り当てられる」のだからたまらない。
「売り場の場所を確保し、時間をかけて陳列しても売れないときもあります。特に食品は賞味期限もあります。結局割り引いて赤字で売らなくてはならなくなり、またその値付けに時間を費やします。その分お店の利益が減るんだと思うと虚しくなってしまいます」
と切ない心情を吐露していた。「週に2、3個しか売れないカップラーメン」に憤るのは無理もない。期限が迫り、やむなく行う割引の値付けは「平均すると毎日1~2時間くらい」もかかるという。
「残業するなと言われるので時間内にやろうとすると、売り場管理や接客がおろそかになります」
と苦しい状況を物憂げに語る。
他店の店長が「本部の上司に直談判」したが……
こうした状況に耐え兼ね、女性は改善を訴えたこともあったというが……
「店長やエリアマネージャーに送ってくる商品を減らすように何度かお願いしたこともありました。最近は他店の店長が、本部の上司が来店したとき直談判したそうですが、あまり改善されていません」
と事態は好転の兆しすら見えない。本部にも色々と都合があるのだろうが、これでは現場のモチベーションは下がるばかりだろう。いい方法はないのだろうか。
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