渋谷に新施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」が開業　ドンキ新業態も出店

　パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス（以下、PPIH）など3社が開発を進めてきた渋谷区道玄坂2丁目の大型複合施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」が、8月24日にオープンした。旧ドン・キホーテ渋谷店が構えていたエリアを含む一帯を大型複合施設に一新。文化村通りと道玄坂小路の2つの通りに面する立地を活かし、出入口を4つ設けることで、商店街に入って通り抜けができるイメージで「道を通し、街の延長をつくる」というコンセプトを体現したという。1、2階の商業フロアにはドン・キホーテの新業態「ドミセ」を含む12のテナントが集い、渋谷の街の活性化を目指す。

　道玄坂通 dogenzaka-doriは、松濤・円山町・渋谷センター街エリアの中間に位置し、延床面積は4万1767平方メートル。28階建てで、商業フロアとなる1階には9テナント、2階には3テナントが入居し、近接するMEGAドン・キホーテ渋谷本店との差異化を図る狙いも込め、PPIHは新業態のドミセを主要テナントとして出店している。
　ドミセでは「おドろき専門店」をコンセプトに掲げ、ドン・キホーテのオリジナル商品または限定商品のみを陳列。ファッションからビューティ、雑貨、フードまで幅広く取り揃えている。店舗入口を入ってすぐのコーナーには月替わりで様々なランキングを紹介する「ドップ 10」や、顧客のダメ出しを受けて改善したアイテムを集めた「ドこたえ」、売れなかった商品をラインナップする「ドすべり」を展開。「ドすべり」では通常の店舗で「魅力を伝えきれなかった」という反省点を活かし、開発者の声を反映したポップを充実させることで魅力の最大化を図ったという。

　また、ドン・キホーテとして初のはかり売りコーナー「ド試し」を導入。ドン・キホーテで年間売上10億円を突破した「素煎りミックスナッツDX」の人気を受けて開発されたもので、アーモンドやカシューナッツ、くるみといったナッツ10種に加えてドライフルーツ12種を用意し、ドライフルーツはランブータンドラゴンフルーツといった変わり種も揃えている。

　利用時は1種類を詰めるごとに料金が表示され、ドンペンがデザインされた専用カードをタッチすると料金が累積されていく。最後にラベルを印刷しレジに持っていくと購入することができる。量り売りでは紙袋代（小10円、大15円）が別途必要となる。ド試しではナッツのほかにコーヒー豆も販売。キリマンジャロブレンドなど5種類をラインナップし、パッケージ売りも行っている。

　施設の計画時には新業態の開発は予定していなかったが、近隣にMEGAドン・キホーテ渋谷本店が2017年にオープンしたことで、ドン・キホーテとして新たな試みにチャレンジするきっかけにもなったという。ターゲットは設定せず、老若男女に来店してほしい考え。ドミセについて、PPIHのコーポレート・コミュニケーション本部 広報室 社外広報課 ヘッドチーフの両角利彦氏は「コンセプトを試す立地としてもちょうど良かった。ドン・キホーテに来店したことがない人にも知っていただく機会になれば嬉しい」と話した。なお、ドミセの区画内では「kanemi」で人気のいなり寿司に特化した専門店「こしらへ」が店舗を構え、名物のいなりやおにぎりを販売している。

　新施設は、旧ドン・キホーテ渋谷店がコンパクトなつくりであったことから、2010年ごろから開発が計画されていた。同店が2017年に閉店し、新施設のオープンに向けて準備を進めてきたものの、新型コロナウイルスなどの影響で開業が1年後ろ倒しとなった。施設にはこのほか「猿田彦珈琲」やジェラートの「ジョリッティ（Giolitti）」、サラダボウル専門店「ウィズグリーン（WithGreen）」、ベーカリー「シティベーカリー（THE CITY BAKERY）」、日本初上陸のシアトル発のハンバーガーショップ「Lil Woody’s」などを誘致し、各店舗で限定商品や先行発売商品を販売している。

　商業フロア以外では、3～10階にオフィスフロアを展開し、11～28階ではホテル「ホテルインディゴ東京渋谷」（※8月29日開業）を誘致した。初年度の動員数や売上目標などは非開示としている。


■道玄坂通 dogenzaka-dori所在地：東京都渋谷区道玄坂2-25-12テナント：ドミセ、Lil Woody’s、猿田彦珈琲、Giolitti、WithGreen、東京ダンスヴィレッジ、買取えもん、THE CITY BAKERY、ゴンチャ、フリホーレス、eashion fun SHIBUYA、ANDELT