結婚式にまつわる仕事をしていると、異様な男女関係を目撃することもあるようだ。群馬県に住む60代前半の女性(事務・管理/年収250万円)は、ブライダル専門の生花店で働いていたときに関わった、とある結婚式での衝撃が忘れられない。
挙式の直前に「中止」と聞いていた結婚式が、そのまま予定通り行われることになった。ところがそれは、なんと「花嫁だけが替わる」という前代未聞の結婚式だったという。
「1週間後に控えた結婚式が中止となりました。(中略)なんとなくもの悲しい気持ちでほかのクライアントさまの用意をしておりますと、ブライダル担当から電話がありました。来週のお式はそのまま用意してほしい。会場装花もブーケも花束もすべてそのまま。もちろん式そのものもキャンセルしないで、打ち合わせどおりに挙行する。あー、一旦は揉めたけれど、話し合いの結果、元のサヤに収まったのね。めでたしめでたしと思っていたら……」
その後、女性の職場には「新婦からの問い合わせなどについては、何も話さないでほしい」と、なんとも不穏なお達しが下りてきたのだ。(文:福岡ちはや)
「新郎の浮気も知らず、『彼がサプライズで結婚式を用意してくれた!』と号泣」
つまり新婦側に、「結婚式は一度キャンセルされていた」という事実を知られてはいけないということだった。
「キャンセルの申し込みはもちろん、キャンセル料の確認への回答、すでにキャンセル済などについても、誰にも何も回答してはならぬ」
という指示を受け、女性はさらに首を傾げた。ただならぬ雰囲気に誰もが「?」と疑問符を浮かべていたところ、やがて言葉を失う事実が発覚する。
「新郎はパラレルで婚約をしていたのです。当初の新婦には浮気がバレてしまい破談となり、式はキャンセルとなりましたが、もう1人の女性は新郎の浮気も知らず、自分以外の女性と結婚式目前とも知らず、『彼がサプライズで結婚式を用意してくれた!』と号泣しながらドレスを選んでいるとのこと……」
二股されていたとも知らず結婚を喜ぶ新婦が不憫で仕方ない。しかし、どんなに最低な新郎だろうが、女性にとっては“クライアントさま”だ。おとなしく要望に従うことしかできない。女性は、
「披露宴の料理も、会場装花の花の種類も、色もブーケの形も、すべて当初の女性が選んだものです。新婦のみすげ替えて挙行って……。後味の悪いお仕事でした」
と振り返った。“知らぬが仏”とはまさにこのこと。せめて新婦が幸せな結婚生活を送っていればいいのだが……。
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