2022年とまだ2戦を残す2023年シーズンのWEC世界耐久選手権で、2年連続となるLMGTEアマクラスチャンピオンに輝いた“最速ブランズドライバー”のベン・キーティングが、PR1/マティアセン・モータースポーツからユナイテッド・オートスポーツに移籍し、来季2024年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフル参戦することが明らかになった。
そのIMSAでも現在LMP2クラスのドライバーズランキング首位に立っているキーティング。テキサス州出身の実業家は、今季限りでのLMP2クラスの廃止にともないWECから北米耐久シリーズに移るイギリスとアメリカの合同チームに加わり、アレックス・クインと新しいコンビを組む予定だ。
キーティングは以前からアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を用いないレーシングカーでの競争を望んでおり、来年の世界選手権でGTEアマから置き換えられるLMGT3クラスに参戦する意志はないとしていた。同時にWECからLMP2カテゴリーがなくなるため、必然的に世界選手権を離れることに。これは彼の来年のメインプログラムがウェザーテック・スポーツカー選手権になることを意味している。
「2024年は僕にとって変化のシーズンになるだろうから、とても興奮している」と52歳のアメリカ人は語った。
「PR1(PR1/マティアセン・モータースポーツ)には過去3年間在籍し、その中で大きな成功を収めてきた。しかし、ユナイテッド・オートスポーツで2024年のIMSAシーズンを全うすることに本当に興奮している」
「僕の過去は素晴らしいものであり、同じようにこの先の将来にもわくわくしているんだ」
F4イギリス選手権、イギリスF3、ブリティッシュGT、U.S.F2000などで経験を積んだクインは、今季2023年のIMSAミシュラン・エンデュランス・カップでPR1のラインアップに加わり、デイトナとセブリング、ワトキンス・グレンでキーティングとマシンをシェアしている。
22歳のイギリス人は「ユナイテッド・オートスポーツとの新たなベンチャー、そしてもちろんIMSAでもう1年ベン(・キーティング)と一緒に戦えることに本当に興奮している」と語った。
「LMP2で多くの経験を積んできたユナイテッド・オートスポーツとチームを組めることを光栄に思うよ」
「僕はいま、耐久レースでの最初のシーズンをとても楽しんでいるんだ。ベンと僕自身が力強くシーズンを終えられることを願っているし、将来を見据えて、ユナイテッド・オートスポーツと一緒に2024年のタイトルに挑戦できることを前向きに感じている」
ユナイテッド・オートスポーツのチーム共同オーナー兼CEOであるリチャード・ディーンは、同チームがドライバーラインアップのひとつを発表したあと次のように述べた。「ベン(・キーティング)とアレックス(・クイン)が来年のIMSAに参戦することは、我々のチームの意思表示だ」
「私たちは皆、IMSAでこれらの才能と実績のある受賞者と一緒に働くことに非常に意欲的だ。我々はレースに勝つためにIMSAに来ており、ベンとアレックスがチームに加わることで、それを達成するあらゆるチャンスを得ることができると考えている」
来年のル・マン24時間レースに自動招待されるIMSA LMP2のジム・トゥルーマン・ブロンズカップ選手権で現在トップを走るキーティングは、フランスの耐久クラシックレースでも英米チームを代表することを希望している。
「ル・マン24時間レースへの連続10回出場は、僕にとって大きなプライオリティ(優先事項)だ」と語ったキーティング。
「ユナイテッド・オートスポーツは、この目標を達成するための最高のチャンスを与えてくれると信じている」