2023年08月20日 09:21 弁護士ドットコム
2023年7月1日から改正道路交通法が施行され、電動キックボードのルールが緩和された。一定の条件をみたせば自転車のように運転免許なしで利用できるようになった一方で、二人乗りなどの「違法運転」の目撃情報がSNSに複数あがり、物議を醸している。
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警視庁によると、東京都内における電動キックボードの7月中の違法運転件数(暫定値)は352件。約5割が信号無視、約3割が通行区分違反で、人身事故が8件あった。
「歩道を歩いていたら、ぶつかりそうになった」「歩道通行や一時停止違反をよく見るので、取締りを強化してほしい」などの意見も寄せられているという。
特に話題になっているのは、電動キックボードなどのシェアリング事業をおこなうLuup(本社・東京都千代田区)のサービス「LUUP」を利用した二人乗りや車道の逆走などだ。子連れで乗る人を見たとの声もあがっている。
これまでLUUPなどの電動キックボードは、免許が必要な「小型特殊自転車」として位置づけられていた。2023年7月の法改正で「特定小型原動機付自転車」となり、運転免許がなくても16歳以上であれば乗れるようになった。ヘルメットの着用も努力義務とされ、最高速度も時速15キロから20キロに上がった。
LUUPを利用するにはアプリのダウンロードが必要で、都内各所にあるポート(設置場所)で借りて、目的地近くのポートに返却できる。法改正で利用のハードルが下がった一方で、ルール違反も目立つ。
8月某日、編集部が渋谷区のLUUPポートを訪れると、サイドミラーにひびがあったり、ナンバープレートが曲がっているものもあり、少なからず事故の痕跡がうかがわれた。借りていく若者の中には、歩行者の間をぬうように疾走する男性たちもいた。
弁護士ドットコムニュースの取材に対してLuup広報部はメールで回答。「一部の利用者に違反運転等が起きてしまっているということは把握しております。大変残念に感じており、真摯に受け止めている」とした。
Luupでは利用時にはアプリで交通ルールのテストに全問・連続で合格することをすべての利用者に義務づけているほか、安全対策として、一部ポートへの警備員の配備、定期的な安全講習会、アプリ内外での注意喚起などを続けているという。
「改正法施行後の状況を踏まえ、今後に向けた安全対策などについて現在関係各所と協議を進めています」(広報部)
警視庁でもホームページ、SNSのほか、キャンペーンを通じて交通ルールや事故防止についての情報発信に取り組んでいくといい、訪日外国人向けのチラシも作成する予定だという。