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きっと、いつかどこかで。「Free!」10周年をSSAでお祝い「皆さんはチームの一員」

2023年08月18日 21:04  コミックナタリー

コミックナタリー

「Free! 10th Anniversary -Memories of Summer-」本祭の様子。
アニメ「Free!」シリーズの10周年を記念したイベント「Free! 10th Anniversary -Memories of Summer-」が、8月12日と13日の2日間にわたり、埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。本記事では12日に実施された前夜祭と、13日に催された本祭の昼の部公演のレポートをお届けする。

【画像】島崎信長の衣装が気になる宮野真守

□ 前夜祭
前夜祭は「Free!」シリーズの劇伴を担当した加藤達也率いるバンド・TEAM KATOTATSUによるライブコーナー「あなたが選ぶ『Free!』メモリアルミュージック」からスタート。ファンから集まった事前のアンケートをもとに、10位から順番に人気の楽曲が演奏されていく。ランキングボードがスクリーンに映し出され、曲名が発表されるたびに客席からは大きなどよめきと歓声が湧き上がる。そんなファンの期待に応えるようにステージ上のTEAM KATOTATSUバンドが生演奏で、Zinee&isseiが伸びやかなコーラスで観客を魅了。10位の「Best swim, best team」から1位の「The final stroke」まで、作中の名シーンを鮮やかに彩った楽曲の数々に、観客は息を呑むように聴き入っていた。また番外編として、加藤がピックアップした楽曲に新しくアレンジを加えたバージョンや、特別なメドレーを披露する一幕も。スクリーンに映し出された本編映像とシンクロする形で演奏される楽曲に観客は酔いしれた。

ベストテンが発表されていく演奏の合間にもさまざまな企画を展開。七瀬遙(幼少期)役の松元惠、橘真琴(幼少期)役のゆきのさつきがパーソナリティを務め、松岡凛(幼少期)役の渡辺明乃、葉月渚(幼少期)役の佐藤聡美の2人がゲストとして登場した「特別版 イワトビちゃんねる~IWATOBI SWIMMING CLUB~」のラジオ収録映像の上映では、ファンから届いた作品に対する思いのこもったエピソードを紹介しつつ、それぞれ幼少期のキャラクターをどんなアプローチで演じたかなど、それぞれが抱く「Free!」への思いを語っていった。

さらに今回のイベントビジュアルのデザインや一部グッズのデザインを担当したペインターのYORKE.、「劇場版 Free!-the Final Stroke-」で総作画監督を務めた岡村公平、「Free!」シリーズのプロデューサーの八田真一郎、楽曲担当の加藤によるトークコーナーも実施。「劇場版 Free!-the Final Stroke-」後編の主題歌「This Fading Blue」の制作にかけた思いを加藤とYORKE.が明かし、イベントビジュアル完成にいたるプロセスについて岡村とYORKE.がトークを繰り広げる。個人でスタジオを借りてイベントビジュアルのアートワークを制作したYORKE.は「自分1人で描いたのではなく、この会場にいる1人ひとりがYORKE.という存在を使って描かせたみたいな気持ちで作った」とコメント。「Free!」という作品を愛するファンの気持ちも乗せて描いたと語るYORKE.の言葉に、観客は大きな拍手を送った。

トークコーナーの終わりに、岡村は「応援してくれる皆さんのことは、チームの一員だと思っている」、八田は「10年間いろいろなことがありました。ここまで来られたのはファンの皆様のおかげです。10年間泳ぎ続けてくださりありがとうございます」とそれぞれファンへ語りかけた。

再び会場が暗転し、スクリーンに映し出されたのは8月9日にリリースされたばかりのキャラクターソングミニアルバムから「岩鳶純情模様」の実写ミュージックビデオ。笹部吾朗役の家中宏と、天方美帆役のゆきのさつき出演によるカラオケ映像風のミュージックビデオの上映に、会場には笑い声が響き渡った。

イベントのラストでは、センターステージでグランドピアノを奏でる加藤やバンドメンバーの演奏とともに、円筒形のキャンパスに向けてYORKE.がライブペインティングを披露。カラフルな色彩の中には「Free!」や「Memories of Summer」に続き、「Free!」シリーズの数々の主題歌を担当してきた「OLDCODEX」の文字が描かれた。

□ 本祭(昼の部)
会場の照明が落ちると、観客からは大きな歓声が湧き上がる。ステージ上の画面に映し出されたのは本イベントにおけるファンへのメッセージと「Free!」シリーズのダイジェスト。すでに感極まるファンもいる中、主人公の七瀬遙によるイベントタイトルのコールを合図に、ステージには「劇場版 Free!-the Final Stroke-」の“フクオカ大会”のチームジャージを再現した衣装姿の七瀬遙役・島崎信長、橘真琴役・鈴木達央、松岡凛役・宮野真守、葉月渚役・代永翼、竜ヶ崎怜役・平川大輔が登場する。イベントの初めからSTYLE FIVEによるライブコーナーがスタートし、TVアニメ第3期「Free!-Dive to the Future-」のエンディングテーマ「GOLD EVOLUTION」がセンターステージで歌い上げられ、早くも会場は熱気に包まれた。その後ステージには桐嶋郁弥役の内山昂輝、椎名旭役の豊永利行、桐嶋夏也役の野島健児、芹沢尚役の日野聡、似鳥愛一郎役の宮田幸季、御子柴百太郎役の鈴村健一が登場。さらにはスペシャルゲストとしてイワトビちゃん、サメヅカちゃんも現れ、観客を癒やした。

各々の挨拶の後は「Memorial talk」と題したトークパートへ突入。コーナーは遙たちの中学生時代を描いた「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」の振り返りから始まる。同作でメインキャラクターを演じた島崎、鈴木、内山、豊永、野島、日野は中学生の声を演じることになった心境や、どのように芝居へアプローチしていったのかを語り合う。同作で「Free!」シリーズ初登場となった際の心境について、豊永は「Free!」への出演に憧れていたこと、野島は出演が決まってから水泳を練習し始めたこと、日野は息継ぎの芝居を教えてもらったけれど実際には息継ぎのシーンがなかったことなどを思い返す。また内山は中学生の郁弥の容姿が思いのほか幼かったこともあり、当初は戸惑いがあったことなどを明かした。

続いてはシリーズの始まりであるTVアニメ「Free!」、そして第2期となる「Free!-Eternal Summer-」についてのトークコーナーへ。ここでは島崎、鈴木、宮野、代永、平川、宮田、鈴村という岩鳶高校と鮫柄学園のキャラクターを演じる面々が集合。振り返り映像を見た島崎は「本当に懐かしい」としみじみした様子で、2013年にニコニコ生放送で実施された新作発表会の当時の心境や、キャラクターに対する第一印象を語った。第2期からの登場となった鈴村は、百太郎を演じるうえで、津田健次郎演じる兄の御子柴清十郎の色を受け継がなければいけないことに対しての緊張を告白した。

最後のトークテーマは、大学生になった遙たちを描いた「Free!-Dive to the Future-」と、シリーズ最終章である「劇場版 Free!-the Final Stroke-」について。ここでは島崎、宮野、内山、豊永、野島、日野がトークを繰り広げる。遙たちが大学生になる直前の春を描いた短編エピソード「特別版 Free!-Take Your Marks-」にも触れつつ、長きにわたりシリーズが続く「Free!」ならではの、深く絡んでいくキャラクター同士の関係性について語られた。

金城楓役の小野大輔、鴫野貴澄役の鈴木千尋、遠野日和役の木村良平、山崎宗介役の細谷佳正によるムービーコメントを終えると、渡辺演じる松岡江と、津田演じる御子柴清十郎による天の声が響き渡り、コールアンドレスポンスが展開される。「筋肉ー!」「大好きー!」「上腕!」「二頭筋ー!」と、ひとしきり江お得意の筋肉ネタでコールアンドレスポンスが行われたところで、新たな衣装のSTYLE FIVEが登場。TVアニメ「Free!」のエンディングテーマ「SPLASH FREE」、TVアニメ第2期「Free!-Eternal Summer-」エンディングテーマの「FUTURE FISH」、「劇場版 Free!-Road to the World-夢」主題歌の「BRAVE DREAM」を立て続けに披露した。

STYLE FIVEによるライブが終わると、今回のイベントのキービジュアルに描かれたキャラクターたちと同じ衣装を身にまとったキャスト陣がステージへ集結。鈴村は「素敵な夏にこの場所で皆さんに出会えたこと、とても大事な思い出になりました」、宮田は「これから先もまた『Free!』に出会いたいし、似鳥を演じていきたい」、日野は「『Free!』という作品はずっとずっと泳ぎ続けていくと思う」、野島は「この作品がリレーとなって次の世代に続いていったらうれしい」とそれぞれ思いを口にする。

豊永は旭への熱い思いを述べたうえで、「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」で旭が口にしていた言葉「俺はー?」「天才!」をコールアンドレスポンスで響かせ、フクオカ大会でリレーに出場できなかった旭の次なる目標「今度はアテネ大会で会おう!」という言葉で締めくくる。内山は「皆さんが『Free!』について語り合ってくれれば、心の中に作品が続いていく」と語った。

平川は「皆さんのそばに、隣に、キャラクターたち、作品が泳ぎ続けていくと思います」と感極まった表情を浮かべ、代永はにこやかに「どこかでもしかしたら帰ってくる機会があるかもしれないので、末永く応援していただけたらうれしい」とコメント。宮野は「これからも彼らの人生は続いていくので、いろいろ想像して彼らの人生を存分に楽しんでほしい」、鈴木達央は「ただただ感謝しかありません。本当にありがとうございます」とそれぞれ言葉を噛みしめた。

最後に島崎は作品とキャスト、スタッフ、ファンへの思いを熱く語りすぎるあまり、「酔っぱらってる?」とキャスト陣から突っ込みが飛ぶ。鈴木からは「誰よりも信長は『Free!』をこじらせているから」、豊永からは作中のセリフをもじった「やっぱりお前フリーだな」というフォローが入り、観客からは拍手が巻き起こる中、「これからもぜひ、『Free!』とともに人生を歩んでもらえたら幸いです」と挨拶した。

するとMCの森雄一からは「まだまだ最後、盛り上がりたいと思いませんか? いつもの決めゼリフで盛り上がりましょう!」との言葉が。島崎の「Take your marks…Ready GO!」の掛け声とともに、会場には「劇場版 Free!-Timeless Medley-絆・約束」の主題歌である「RISING FREE」が流れ出す。キャスト陣はトロッコへ搭乗し、カラーボールを投げながらアリーナ席の外周を巡っていった。

最後にTVアニメ第1期「Free!」第12話のエンディングテーマとなった「EVER BLUE」とともに、ステージ上へ戻ってくるキャスト陣。歌唱するSTYLE FIVEとともに、ノリノリで口ずさむ豊永と宮田と鈴村、音楽にノリながらイワトビちゃんの動きをマネする野島と日野、笑顔で手拍子する内山と、「Free!」のキャラクターたちと同じように十人十色な姿を見せていた。

キャスト陣がステージからはけると、本日を締めくくるサプライズのムービーが上映。シリーズを彩ってきたOLDCODEXの楽曲に合わせてYORKE.がパフォーマンスする、本イベントのエンドロールが画面に映し出される。最後には遙による「俺たちの未来はこれからも続いていく。だからきっと、いつかどこかで」という言葉が響き、鳴り止まない拍手とともにイベントは幕を下ろした。

なお2024年1月24日にはTVアニメ第3期「Free!-Dive to the Future-」のBlu-ray BOXが発売決定。詳細は続報を待とう。

■ 前夜祭セットリスト
Into the new world(TV3期「Free!-Dive to the Future-」)Best swim, best team(「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」) / 10位Taste the satisfaction(TV1期「Free!」) / 9位Brilliant swim(TV1期「Free!」) / (特別演奏)Still life goes on(「劇場版 Free!-the Final Stroke-」後編) / 8位Only for your future(「劇場版 Free!-Timeless Medley- 絆」) / (特別演奏)Departure for the future(TV2期「Free!-Eternal Summer-」) / 7位Eternal blue(TV2期「Free!-Eternal Summer-」) / 6位Never Ending Road(「劇場版Free!-the Final Stroke-」後編) / 5位Rhythm of port town(TV1期「Free!」) / 4位 & Rhythm of new sensation(TV3期「Free!-Dive to the Future-」)(メドレー)Timeless medley -the Bond-(「劇場版 Free!-Timeless Medley-絆」) & Timeless medley -the Promise-(「劇場版 Free!-Timeless Medley- 約束」) / (メドレー)(特別演奏)Melody of ever blue(TV1期「Free!」) / 3位Pure blue starting~Starting days(「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」) / 2位The final stroke(「劇場版 Free!-the Final Stroke-」後編) / 1位Never seen landscapes(TV3期「Free!-Dive to the Future-」)Words that changed my life(TV1期「Free!」)We could be free(「劇場版Free!-the Final Stroke-」前編)This Fading Blue(TEAM KATOTATSU BAND LIVE Ver.)(「劇場版Free!-the Final Stroke-」後編)※島崎信長の崎はたつさきが正式表記。

(c)おおじこうじ・京都アニメーション/岩鳶町後援会2021