職場環境は会社によって千差万別だ。千葉県の30代後半男性(事務・管理/年収200万円)が以前、年末年始に短期派遣で入った食品工場は、「精神的に疲れるブラック会社」だった。「二度と働きたくないし、一日でやめてもよかったかもしれない」と振り返る男性。仕事内容は「主にお弁当の材料を作り、材料を箱に盛り込む、いたって普通のライン作業」のはずだったが……。
まず独特だったのが、仕事の教え方。口頭での指導はなく、
「ベルトコンベアーに1枚の作業マニュアルが流れてきて、派遣やアルバイトを仕切るリーダーが『はい、今流れて来てるマニュアルに目を通して覚えてくださいね』」
という無茶振り。まるでコントのような展開に、男性は「目の前を通り過ぎていくマニュアルを読むのに動体視力を活用せざるを得ない、この状況。どう覚えればいいと!?」とツッコミを入れていた。(文:福岡ちはや)
「パワハラおばさんが『おい、そこにいるメガネ、こっちを手伝え』と怒鳴ってた」
男性が「もっと酷かった」というのは、「パートのおばさんたちの、派遣やバイトの人たちへの暴言」だった。そのパートの中には、派遣やアルバイトに「ちんたらしてんじゃねえよ、使えねえな」などとひどい暴言を吐く「スーパーパワハラおばさん」がいた。
「(おばさんは)ときには『おまえ遅いし使えねえ。あっちのほう手伝いやがれ!おまえ代わりにやれ』とアルバイトを指図した。私はメガネを普段かけてるのですが、パワハラおばさんが『おい、そこにいるメガネ、こっちを手伝え』と私のほうを向いて怒鳴ってたため、私が向かおうとしたら『違げぇよ、メガネのお前じゃなくて、そっちのメガネだよ。意味わかんねえや』と」
パワハラおばさんによる「暴言、妄言、怒鳴り声、誹謗中傷」が飛び交う中、夜勤の眠気に負けないようにひたすら働く派遣とアルバイト。それにも関わらず工場の社員は、おばさんのパワハラを誰も注意しない。派遣会社の社員にパワハラ被害を訴えても無駄だったという。「その苦情、よく話を聞きますし、あのパワハラ発言で精神的にキツくて体調崩したり、辞められる方いるんです。だから、こちらで何度も注意喚起するのですが、まったく改善しないんですよ」とため息をつかれるばかりだった。男性は「本当にストレスMAXでした」と振り返る。
「工場勤務最後の日、急にパワハラおばさんが『あなた、これで仕事最後なのね。お疲れさまね』と満面の笑みで馴れ馴れしく話しかけてきたのを見て、呆れましたね。あのとき、よく怒鳴らなかったですよ」
「工場長が『手伝いなよ』と話したら、おばさんは『できなーい!』と急にかわいこぶった」
そのスーパーパワハラおばさんは、食品工場内でさぞ恐れられていたに違いない。しかし男性は「そのパワハラおばさんは、かわいいいところ、あったんですよ。皮肉を込めてですが」と意外な事実を語る。一体、どういうことなのか。
「(おばさんが)『本当に使えねえな』とぼやいていたら、何人かの正社員を引き連れた工場長が『じゃあ君が手伝いなよ』と話したら、『できなーい!だってだってぇ、自分の手を汚したくないんだもん』と急にかわいこぶった」
そんなおばさんを見た工場長ならびに正社員たちは「まったく本当にかわいいな」と談笑していたそうで、男性は、
「そのとき思いました。『真面目に働くってなんだろう』と。みなさんはどう思いますか?」
と投稿を括った。こんな職場は嫌すぎる。男性が短期派遣だったのがせめてもの救いだ。
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