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奈良の山道を歩きアートを通じて自然を体感する芸術祭が開催 プロデューサーは齋藤精一

2023年08月13日 15:01  Fashionsnap.com

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 奈良県南部・東部に位置する奥大和を半日以上かけて歩き、アート作品を通して自然を体験する芸術祭「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」が開催される。会期は9月16日から11月12日まで。プロデューサーは、旧(株)ライゾマティクス(現アブストラクトエンジン)を設立し、現在は同社の社内アーキテクチャー部門「パノラマティクス」を主宰する齋藤精一が務める。

 MIND TRAILは、2020年にコロナ禍での奈良県の観光復興の一環として初開催。鑑賞者同士の密集を避ける鑑賞スタイルを展開してきた。コロナが収束に向かうタイミングでの開催となる今回は、今まで以上に来訪者が地域との交流を深く持ち、より質の高い鑑賞体験を得ると共に、地域の活性化にも寄与することを目指す。「人それぞれが元々持っている力が、地域の方々や作品や自然と深く交わり、奥大和の活性化にさらなる力を加えていって欲しい」という想いからテーマを「Competency(能力)」に設定した。
 舞台となるのは、奈良県の吉野町、下市町、下北山村。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を含む吉野町では、エリアテーマを「逢」とし、美術家の矢津吉隆がディレクターを務める。古事記や日本書紀、万葉集にも記述がある修験道の地として栄えてきた吉野の、信仰、林業、観光など多面的な人々の暮らしと共鳴するように、20人以上のアーティストが共同で作品を作り上げるという。 
 下市町のエリアテーマは「結」で、ディレクターはSKWATが担当する。都市の遊休施設を一時的に占有し、一般へ解放する活動を行っているSKWATは、「下市町の営みや生態系にSKWATが介入することで、普段隠れている芸術性を顕在化させ、それらが町の資産となり、自走のきっかけになってくれると信じています」とコメントしている。
 下北山村のエリアテーマは「集」。サービスデザインからXR技術を活用したデジタルコンテンツの制作などを行う浅見和彦がディレクションし、吉野熊野国立公園に指定されている村の自然豊かな風景や地場に伝わる伝説、民俗史などに着想した体験を提供するという。
 齋藤は「地域に暮らす人々の素晴らしさと資源に改めて光をあて、開催地域では個々人が持っている才幹や感性をいかんなく発揮できる場が生まれ、来訪者は交流によって芸術祭や観光以上の体験を得、経験値を高められるような場になることを期待します。小さな行動はやがて交わって大きな「交動」になります。MIND TRAILも、関わる全てを巻き込む強い力を持った芸術祭に発展し続けていきたいと考えています」と意気込みを述べた。

◾️MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館会期:2023年9月16日(土)~11月12日(日)会場:奈良県 吉野町、下市町、下北山村入場料:無料吉野町参加アーティスト:北山ホールセンター、kumagusuku/䑵野湧+武内もも、齋藤精一、sign play、副産物楽団ゾンビーズ、副産物産店(山田毅+矢津吉隆)、MAGASINN(CORNER MIX、井上みなみ、武田真彦+糸魚健一)下市町エリア参加アーティスト:SKWAT、齋藤精一下北山村参加アーティスト:大小島真木、ゴッドスコーピオン、contact Gonzo、齋藤精一、SandS、花形槙、Hertz(Discont+Riki Osawa)、松岡湧紀、やんツー+齋藤 帆奈+吉田山、yuge (hoge)公式サイト