結婚するつもりで付き合っていた相手にとつぜん別れを告げられたら、想像以上にショックが大きいだろう。東京都の30代女性は、27歳のとき、両親に挨拶までした恋人から信じられない扱いを受けたという。編集部が女性に取材を申し込んだところ、当時の詳細を語ってくれた。
当時彼は25~26歳で年収は600万円ほど。大学院を卒業して大手IT企業に就職し、ちょうど1年経ったところだった。付き合いだしてから1年後、彼の両親に挨拶に行くと
「彼からその日のうちに電話で『別れてほしい』と連絡がありました」
驚いて理由を聞いても教えてもらえず電話は切られてしまった。その後、LINEもブロックされ完全に音信不通となってしまったという。
「お父様の年収は億近くだそうで、別荘もいくつかお持ちとのことでした」
両親への挨拶で何かまずいことがあったのだろうか。女性は、先方の両親は「丁寧な方々」だったと振り返る。
「お父様は外資系企業の重役で、スーツをお召しになっていました。お母様も綺麗な黒のワンピースで、シャネルのマトラッセ(バッグ)をお持ちでした。お父様の年収は億近くだそうで、別荘もいくつかお持ちとのことでした」
かなり上流の家庭だったことがうかがえる。女性も気を使い、「白いブラウス、黒いスカート、トレンチコート」という服装で臨んだが、そこでの会話はかなり緊張を強いられたようだ。
「色々と根掘り葉掘り聞かれました。読書が趣味と言ったらどんな本を読むのか聞いてくるけど、なんであんなに高圧的に聞いてくるんだろう……とは思いましたが、ご両親を立てるように気を遣いました。犬が好きだとおっしゃっていたので、『私も実家に犬がいます』ですとか、できるだけお話を合わせるようにしました」
初めての顔合わせは和気あいあい、とはいかなかったようで、「両親と別れた後の帰り道はボロボロ泣いてしまい、彼からは慰められていました」と女性は振り返る。
それでも挨拶自体は無事に済んだと思っていたが、その日のうちに電話で別れを告げられてしまった。今考えると、こんなこともあったという。
「出身地や居住地について詳しく聞かれました。彼のお母様が出身地や住んでいる地域にこだわりのある方で、当時私が住んでいた地区をよく思っていないとは事前に彼から聞いていました。私の居住地というより、その近くの地域がお嫌いだそうで……。私の写真を彼がご家族に見せたとき、妹さんから『暗い~』と言われたとも聞きました。明るくて活発な方を希望されていたようです」
「あまりのショックに有休期間の1か月間寝込みました」
ただ、当時は本当になぜ振られたのかわからなかった。「ちょうど彼のすすめもあり転職をしたばかりで、有休消化中だったのですが、その日から、あまりのショックで有休期間の1か月間寝込みました」と心身ともに参ってしまった。食事もろくにできなくなったという。
「水とスポーツドリンクを飲むぐらいで食事はほとんど摂らず、食べてもカロリーメイトくらいでした。ちゃんとした食事は、心配した友人が差し入れしてくれたハンバーガーを食べたくらいです。あとは、当時たまたま生理不順で通っていた婦人科の先生にこの事をお話したら、心を落ち着かせる薬をお出しいただきました。泣き出してしまったときは、それを飲んですぐ眠っていました」
それでも転職した会社でなんとか働きだした。現在もこの会社に在籍しているという。ただ、
「最初はコロナ禍でもあり、メンタルもまだ不調だったので、すごく辛かったです。寝込んだ一ヶ月で5キロ痩せたのですが、転職して2年ほどで、その反動とストレスで体重は15キロほど増えました」
と振れ幅の激しい生活だったようだ。そもそも彼が転職を勧めた理由は、もとの会社が激務でかなりブラックだったためだ。彼女の身を心配して転職を勧めたはずの彼氏だったが、彼が原因で女性は心身ともにボロボロになってしまった。
「相手はとうの昔に結婚していました…」
その2年後のことだ。必死で婚活し29歳で結婚した女性。そこでFacebookのステータスを既婚に更新しようとしたところ、例の彼氏のステータスがふと目に入った。
「相手はとうの昔に結婚していました……まさか二股? とは思うものの、連絡もできないので真実は分かりません」
女性と別れた後にすぐ相手を見つけて結婚したのか、それとも……。過去にあやしい素振りなど無かったのだろうか。
「女友達からの紹介だったので信用しきっていました。ご両親の職業なども話してくださり、ちゃんと将来を考えているということを定期的に伝えてくれたので、疑いなどはありませんでした。Facebookを信用するなら、時系列的にどうやら私と別れた半年から1年後くらいに結婚したようです。二股でないなら、ちょっと早めかもしれませんね」
現在は、「収入はあまり多くはないですが、誠実な方、嘘をつかない方と結婚しました。ご両親も優しい方で、適度な距離を保ちながら接してくださいます」とおだやかで幸せな生活を送っているようで何よりだ。
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