2023年08月10日 07:01 おたくま経済新聞
2023年になってもなお、民間人が気軽に宇宙旅行に行くことは叶っていませんが、宇宙に行った気分になれる”かもしれない”アイテムが、X(ツイッター)で注目を集めています。
「すばる」さんが投稿した動画に映っているのは、宇宙船の丸窓を模したディスプレイに、青い地球と果てしない宇宙が見えている様子。その景色の美しさは、つい時間を忘れて見入ってしまいそう。
普段からものづくりを行い、さまざまな作品をSNS中心に発表してきたすばるさん。元々宇宙に強く興味を持っており、「家にいながら宇宙をもっと身近に楽しめたら……」と考えたことが今作のはじまりでした。
加えて、YouTubeでISS国際宇宙ステーションの小さな窓から地球を眺めている映像が、とても印象に残っていたそう。構想自体は2018年頃にはすでにまとまっており、専門学生時代の卒業制作にて、丸窓液晶ディスプレイ「COSMO」として企画を行いました。
今作はこれに改良を加えたプロトタイプ2号機。3DCGソフト「Blender」を用いて宇宙空間を作り、地球や太陽を自由に撮影できるスタジオを作成。そこでレンダリングしたループ動画を、宇宙船の丸窓型の液晶に映し出しているという仕組みで、地球のテクスチャや地形データはNASAが公開しているものを使用したという本格的なものです。
「単純に丸い液晶に既存の地球や宇宙の動画を表示させたらよいのでは?」という声が聞こえてきそうですが、これにはちゃんとした理由があります。
もちろんそうした仕様にも出来るのですが、広大な宇宙を身近に感じてほしいのに、決まった映像を決まった位置からしか見ることが出来ないのは少し物足りないですよね。
宇宙空間から3Dで作ってしまうことで、これを解決。見たい天体を好きな高度や位置から見ることを可能にしているほか、ISS国際宇宙ステーションと同じ高度の映像を表示させたり、地球からもっと離れた場所を周回している映像を流したりといったことも。自由自在に宇宙の景色を楽しめます。
プロトタイプ2号機を発表したばかりですが、現在はさらに改良を加えた3号機を制作中で、今後は展示や商品化も視野に入れているとのこと。今作に対するすばるさんの構想は、まさに宇宙空間のごとく果てしなく広がっていることでしょう。
<記事化協力>
すばるさん(@Subaru00515)
(山口弘剛)