トップへ

宮崎アニメ《がっかりランキング》大半が「該当なし」の中、1位になった「意味がわからない」作品

2023年08月09日 11:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

宮崎駿

「私自身、訳がわからないところがありました」

 と、宮崎駿(「崎」はたつさき)監督がコメントした自身の最新作『君たちはどう生きるか』。事前PRはなし、発表されたのはタイトルとポスタービジュアルと公開日だけ、という異例づくしのスタートだった。

 しかし蓋を開けてみると、公開4日目で興行収入は'01年公開の『千と千尋の神隠し』を超えるという、まさにロケットスタート。だが、映画館に足を運んだ人たちの評価というと、歓喜とダメ出しが入り交じった賛否両論の渦。評価は真っ二つに分かれているが、これまでも宮崎作品では評価が分かれたことも多かった。

 そこで今回、『宮崎駿作品で“がっかり”と感じたものは?』という、ちょっとイジワルなアンケートを実施。ジブリに限らず、宮崎監督が手がけた長編映画15本について、全国の30歳~60歳までの男女、600人が下した“審判”とは─。

◆   ◆

 まず、いちばん多かった答えは、「当てはまるものはない」で354票。なんだかんだ言っても、みなさんは宮崎作品が好きなんですね。しかし、そんな中でも32票を集めた「がっかり」作品の第1位は、『コクリコ坂から』。

 16歳の少女と17歳の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物をめぐる騒動を描いたもの。宮崎駿が脚本を担当しているが、ファンタジー要素がない。そんなこともあってか、

「いつものジブリのテンポや語り口を期待していたせいか、凡庸さを感じてしまった」(東京都・48歳女性)

「盛り上がる場面もないし、見ていて鬱屈とした気分になった」(京都府・47歳女性)

「ストーリーの意味があまりわからなかった」(三重県・48歳女性)

 といった声が。意外だったのが、第2位に29票で続いた『ハウルの動く城』。少女と魔法使いの恋を通して、生きることの楽しさや愛することの喜びを描いた、バリバリのファンタジー。

木村拓哉のハウルの声が

「話の内容を1度で理解できなかった」(福岡県・43歳女性)

「どこがイケてない、ということではないけれど、見た印象が残っていない」(埼玉県・46歳男性)

 という声の中に、

「ただただ、ハウルの声が嫌いだった」(大阪府・39歳女性)

「木村拓哉が好きではないので、彼が担当したハウルの声が鼻についた」(東京都・44歳女性)

 なんて、作品ではなく声のキャストの好き嫌いで判断する人も。そういえば『君たちはどう生きるか』も、「1度見ただけではわからない」という意見があったし、キャストにキムタクの名前も……。これは先行き不安の要素になる!?

『崖の上のポニョ』はアンデルセンの童話『人魚姫』が原案ゆえに

 気を取り直して第3位は、26票で『崖の上のポニョ』。

「キャラが可愛くないから」(大阪府・56歳男性)

「結局、何を言いたかったのかわからない」(大阪府・46歳女性)

 アンデルセンの童話『人魚姫』を原案に、人間になりたいと願う魚の子と、5歳の男の子のボーイミーツガールなストーリー。童話が元になっているだけに、

「少し子ども向けすぎたかな、と思います」(滋賀県・41歳男性)

 なんて声も。そうなると、ちょっと大人向けかなと思う『紅の豚』が、第4位に24票でランクインしたのはどういうことなのか?

「日本の話ではないし、ストーリーが男性目線で物語に集中できなかった」(千葉県・55歳女性)

 確かに1920年代のイタリアを舞台に、呪いを受けて豚になった中年パイロットが主人公だと、少年少女が主人公の物語とは一線を画している気も……。その“呪い”についても、

「なんで豚になっているのか、それを自然に受け入れている周囲の気持ちも理解できない」(神奈川県・47歳女性)

 そう言われると、ファンタジーという根底を覆す気もするけれど。第5位に入ったのは23票で『風立ちぬ』。1930年代の日本を舞台に、飛行機づくりに情熱を傾けた青年が、零戦を誕生させるストーリー。

「ファンタジー感がなくて期待外れだった」(千葉県・35歳男性)

「現実の戦争の話で、監督のメッセージが強すぎて見ていて疲れた」(北海道・43歳男性)

 あまり考えることなく、単純に楽しめる作品がいいということ? だとすればテレビで何回も放送され、毎回視聴率をとっている“ザ・娯楽作品”の『ルパン三世 カリオストロの城』が20票で第6位にランキングされていることが不思議。

「物語はすごくよかったけど、原作のルパン三世が好きではないので、違うキャラクターでやってほしかった」(千葉県・57歳女性)

 そうなると、まったく違う作品になるのでは!?

『君たちはどう生きるか』はランキング外に

 第7位は15票で『耳をすませば』。図書館の貸し出しカードがきっかけで知り合った少女と少年の“アオハル”な物語。

「日常生活を描いているけど、あまりにもご都合主義。間に猫のバロンというファンタジー要素も入っているけど、先が見えて退屈だった」(福岡県・40歳女性)

 14票で並んだのが『千と千尋の神隠し』と『借りぐらしのアリエッティ』。2作品に共通したのが、

「ストーリーが理解できなかった」(福岡県・51歳女性)

「監督が何を言いたいのか、よくわからない」(埼玉県・52歳女性)

 など「理解できない」という声だった。

 ちなみに『君たちはどう生きるか』は、今回のアンケートでは12位でギリギリでランキング外に。ただ、否定的な意見で過去作品と共通しているのは、「理解できない」というコメント。

◆   ◆

 これまでも新作が出るたびに、内容について喧々諤々となってきた宮崎作品。『君たちは~』も、時間がたたないと本当の評価はわからないのかも。さてさて、監督の集大成となるか、究極の駄作といわれるのか─。