派遣社員として働いた女性が派遣先での出来事に失望し、退職した経験談が寄せられた。40代後半の女性(山梨県/素材・化学・食品・医薬品技術職/年収350万円)は、もともと正社員として働いていたが、育児との両立のため、派遣社員として働くことにしたという。
しかし両方を経験して、正社員のほうがいいと思うことがあったのだろう。女性は「いつか正社員に戻りたい」と思いながら日々仕事をこなしていたが、偶然耳にした社員たちの会話から考えを改めることとなる。ある日、資料を探すために書庫へ向かった女性は、「可動式の棚を動かすのが面倒くさく、体格も小さいので30センチのすき間に入って作業をしていた」という。(文:林加奈)
「派遣会社があるから、守られているものもある」
女性は棚のすき間に隠れており、書庫には誰もいないと思われたのだろう。
「課長とリーダーの声がしました。『あいつをヒラの正社員にして、今のままもっと使ってやろう』。あいつって、だれ!?正社員になっても、一生待遇変わらないの?」
結局、課長とリーダーが話していた「あいつ」のことは誰だかわからないままだったが、
「私のことではないにしても、何かが崩れていきました。派遣会社があるから、守られているものもあり、それがなくなったらどうなるんだろう」
とその時の心境を語る。
確かに、非正規雇用を正社員にして「もっと使ってやろう」と画策されたら疑心暗鬼になるのも無理はない。結局女性は「他の派遣社員に言えないまま、退職を希望しました」という。
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