世帯年収1000万円だと余裕のある生活が送れそうだが、そうとも限らないようだ。世帯年収1000万円の40代後半の女性(岡山県/その他/正社員・職員)は、日頃の生活感について次のように語る。
「スーパーでは値引シールを探し、旅行などもってのほか。外食も月1回程度。スマホは4人ともサブブランド、機種変も我慢。服を買うのも量販店で必要最小限、化粧品もドラッグストアのプチプラのみ。ボーナスが出たら私の眼鏡を新調するつもりだったが、塾の夏期講習が最安でも5万円超えといきなり言われ、諦めた。車は1人1台必須の地域で、1台は試合時の送迎などで必要なのでミニバンだが、もう1台は軽自動車。どちらも乗れる限り乗る予定」
女性は現在の世帯年収について、「めいっぱい控除を使っても、ギリギリで支援対象外になりそうな試算。一番損をするゾーンに入ってしまった」と嘆いた。(文:福岡ちはや)
「もしかして我が家は、お金の貯め方や使い方が下手なのだろうか?」
女性には子どもが2人おり、それぞれ私立高校と公立中学校に通っている。そのため教育費が家計を圧迫しており、「学費はもちろん、通学定期に部活の遠征に、塾に検定にと何かとお金が出ていく」と女性はこぼした。それでもなんとか900万円の金融資産を蓄えたが、
「上の子は私立大学へ進む予定。もし県外の大学となれば、2人分として貯めている教育費が1人分になってしまうかもしれない。下の子も高校は普通科を希望しているので、大学に行くことになると思う」
と不安は拭いきれない。また女性は、
「子どもからは『友達がどこどこへ旅行した』とか『誕生日にあれを買ってもらってる』など聞くが、教育費と自分たちの老後も考えると贅沢は何もできない。ほかの家庭はもっと収入があるのだろうか?もしかして我が家は、お金の貯め方や使い方が下手なのだろうか?でもお金に関することは、誰とでもできる話ではなく……」
とも綴っており、悩みが尽きないようだ。
「どうしたらお金の不安から解放されるのか。いっそ離婚か?」
実は、女性は「数年間の住民税非課税世帯も経験しており、すべての就学支援を受けていた」という。そのため、住民税非課税世帯と世帯年収1000万円のギャップの大きさに戸惑いを隠せず、
「納税していないときは支援を受けられ、納税している今は支援がない。一生懸命働いて年収を増やしても、お金の不安から逃れられない」
「今後は就学支援や奨学金、大学寮などの利用も厳しくなると予想される」
「異次元の少子化対策で子ども手当が出ても、扶養控除が廃止になれば納税額が増えるだけ。住民税が増えれば、高校の授業料が満額自己負担に」
と不満をもらした。女性はかなり追い詰められているようで、「どうしたらお金の不安から解放されるのか。いっそ離婚か?そんなことまで頭をよぎる」と言い、
「子どもの進路が親の年収に左右されないよう、世帯ではなく学校にお金を出すなどして、教育費そのものを下げてほしい。塾に行かなくても受験に臨めるようにしてほしい」
と切なる願いを綴っていた。
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