躍動を見せるRoush Fenway Keselowski Racing(RFK Racing)のクリス・ブッシャー(フォード・マスタング)が、前週リッチモンドの0.75マイルショートトラックに続き連勝を収める結果に 降雨によるスタートディレイの上で、日曜決勝74周を終えた時点でふたたび月曜への順延が決まった2023年NASCARカップシリーズ第23戦『ファイヤーキーパーズ・カジノ400』は、躍動を見せるラウシュ・フェンウェイ・ケセロウスキー・レーシング(RFKレーシング)のクリス・ブッシャー(フォード・マスタング)が、前週リッチモンドの0.75マイルショートトラックに続き連勝を収める結果に。
マーティン・トゥルーエクスJr.とデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)を挟んで、僚友兼RFK共同オーナーのブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)も4位に入るなど、ブッシャーのプレーオフ進出が確定するとともに、フォード陣営の主役として終盤戦に挑む勢いを披露している。
ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで8月4~6日に開催されたレギュラーシーズン終盤の1戦は、プラクティスからトゥルーエクスJr.が最速タイムを奪取すると、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)とタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)もそれぞれ2位、4位に続く展開に。そしてセッション後には単年契約での2017年王者トゥルーエクスJr.の来季残留が発表されるなど、JGR陣営一色の様相となった。
そのまま予選でも勢いを維持したトヨタ勢はベルがポールウイナーに輝き、迎えた日曜の決勝でも30周をリードした僚友トゥルーエクスJr.がステージ1を制覇する。
しかし、この決勝スタートを目前にしたペースラップ中には雨が落ち始め、レースは1時間43分遅れの開始となり、200周のうち74周をなんとか走破した時点で、さらに雨が降り始めた2マイルオーバルは競技続行が不可能に。ここでNASCAR関係者は苦渋の決断を降し、イベント順延の判断を余儀なくされた。
雨絡みと日照条件の変化により、この短いスティント中にも波乱が続発し、65周目にスピンしてウォールに激突、マシンに大きなダメージを負ったポールシッターのベルを筆頭に、カイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)、チェイス・エリオットやウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、そしてSNSでの不謹慎発言でチームから出場停止処分とされたノア・グラグソンに代わり、代打起用されたジョシュ・ベリー(レガシー・モータークラブ/シボレー・カマロ)らもレースを終えることに。
翌月曜に75周目から再開された勝負は、中盤でハムリンがピットアウト時にエンジンが始動しないトラブルで勝負権を失うなか、引き続きトゥルーエクスJr.が奮闘。ダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を差し切ってステージ2制覇を成し遂げる。
しかしアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)らがクラッシュやタイヤの問題で脱落を喫したのち、最速のトゥルーエクスJr.に挑んだのは前戦勝者のブッシャーで、残り13周の時点で2台は2周にわたってサイド・バイ・サイドの勝負を繰り広げる。
■次戦はいよいよ小林可夢偉が登場
しかし188周目のターン4で17号車のRFKマスタングが19号車JGRカムリをボトムに抑え込むように旋回すると、一瞬リヤがルーズになったイン側のトゥルーエクスJr.はたまらずスロットルをリフト。これで幾分のマージンを稼いだブッシャーが残りラップの追撃を振り切り、わずか0.152秒差で2戦連続のトップチェッカーを受けた。
「僕のマスタング『Castrol Edge Ford』はプラクティスでもクオリファイでも、とても感触が良かったんだ」と、キャリア通算4勝目を挙げ“カップ・エリート”の道を歩み始めたブッシャー。
「こうしてまた素晴らしいクルマを与えてもらったし、頑張らなくちゃいけなった。最後はハードなレースになったね。マーティンは僕に対してとても誠実だっし感謝している。2週連続でビクトリーレーンに行こう、それはとても素晴らしいことだよ!」
一方、序盤の2ステージで圧勝を飾りながらも、この日の“ファステスト・ルーザー”となったトゥルーエクスJr.は、相手を捉えるには「(タイヤの)摩耗の状況も考えると、もう少しのラップ数が必要だった」と振り返った。
「僕ら自身も幾ばくかは良くなっているような気はするが、同じタイヤで、かつフレッシュエアの中でリーダーを追い抜くのは本当に本当に難しい。それでも今日のカムリはロケットのようだった。このクルマを仕上げてくれたクルー全員に脱帽だ」
同じくミシガンで併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第21戦『カボワボ250』は、JGR所属のジョン・ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が今季5勝目、キャリア通算7勝目を飾り、チームにとっては記念すべき200勝目をプレゼントする結果となった。
続いて、来週末の8月11~13日にインディアナポリス(IMS)のロードコースで開催されるNASCARカップシリーズ第24戦『ベライゾン200・アット・ザ・ブリックヤード』では、いよいよ日本のエース小林可夢偉が『Toyota Genuine Parts Camry TRD』の67号車でカップ初参戦の日を迎える。
また同戦では、ひと足先に今季衝撃のデビューウインを飾ったRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ3冠王者の“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンも自身カップ2戦目を迎え、今季オーストラリアの同シリーズで自身初のタイトル戦線に加わるブロディ・コステッキも、シボレー陣営のリチャード・チルドレス・レーシングよりデビューレースを戦うことが決まっている。