ポールポジションスタートの高橋巧(Team HRC with 日本郵便)は2番手、3番手にはニッコロ・カネパ(YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM)が続いた。さらに4番手にはロケットスタートを決めたマイク・ディ・メリオ(F.C.C. TSR Honda France)が並びオープニングラップを消化。
Team HRCの高橋は一時ポジションを下げてしまうも、早々に首位に立ち、安定した走りで周回を重ねていく。そして1度目のピットのタイミングで素早い作業で終えて長島がコースインすると、わずか2周目でベストラップを更新する圧倒的な走りを見せて、観衆を沸かせた。
日本勢も序盤から多くのチームがしのぎを削っていく。Astemo Honda Dream SI Racingは、スタートで出遅れるも順調に追い上げて一時3番手に浮上するが、トラブルとクラッシュにより順位を下げる結果に。そして、S-PULSE DREAM RACING-ITECとAutoRace Ube Racing Teamが表彰台争いに浮上し、バトルを繰り広げた。
そんななか、4番手を走行していたBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが7番手へとポジションを下げてしまう。抜群の追い上げを見せいたTSRホンダが4番手へとポジションを上げている。
そしてレースは最終盤へ突入。序盤には順位を落としてしまう場面も見られたが、すぐにトップを奪取すると、そのまま最後まで圧倒的な速さと安定感でライバルのみならずトラブルやアクシデントすら寄せ付けなかったTeam HRC with 日本郵便が216周を走破し、トップチェッカー。2022年の鈴鹿8耐では、ホンダにとって8年ぶりの優勝をもたらし、2023年も完璧なレース運びで見事に完全制圧を果たした。
そして予選で3番手を獲得するも、一時ポジションを下げていたTOHO Racing(清成龍一/國峰啄磨/榎戸育寛)が2位でチェッカー。3位にはSDG Honda Racing(浦本修充/名越哲平/埜口遥希)が入り、日本勢が大いに活躍を見せた。4位にはEWCフル参戦組ではトップとなるF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ/アラン・テシェ/タラン・マッケンジー)がつけてランキングトップに浮上した。
5位はAutoRace Ube Racing Team(ダン・リンフット/津田拓也)、6位はHonda Dream RT SAKURAI HONDA(伊藤和輝/日浦大治朗/荒川晃大)、7位はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターベルガー/イルヤ・ミハルチク/ジェレミー・ガルノニ)、8位はHonda Asia-Dream Racing with SHOWA(モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ/アンディ・ファリド・イズディハール/ナカリン・アティラプワパ)、9位はS-PULSE DREAM RACING-ITEC(渥美心/ジョシュ・ウォータース/マルセル・シュロッター)、10位Astemo Honda Dream SI Racing(水野涼/渡辺一馬/作本輝介)というトップ10になっている。
また、NSTクラスはNCXX RACING with RIDERS CLUB(伊藤勇樹/前田恵助/中山耀介)が優勝を飾り、2位はKawasaki Plaza Racing Team(岩戸亮介/岡谷雄太/佐野優人)、3位にはTeam TATARA aprilia(新庄雅浩/和田留佳/サミュエル・カバリエリ)が入った。
EWCフル参戦組ではF.C.C. TSR Honda France(マイク・ディ・メリオ/アラン・テシェ/タラン・マッケンジー)は4位、終盤にトラブルに見舞われたBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターベルガー/イルヤ・ミハルチク/ジェレミー・ガルノニ)は7位でチェッカーを受けた。そして、予選で速さを見せるも決勝では一時43番手まで後退してしまったYART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM(ニッコロ・カネパ/マービン・フリッツ/カレル・ハニカ)は凄まじいペースで追い上げを見せ、23位で終えている。
金曜日から酷暑が続いた2023年の鈴鹿8耐だが、決勝日には25,000人を動員。多くの観客が見守るなか、50台中48台がチェッカーを受けた。リタイアはYSS Mercury Kawasaki Plaza SuitaとYamashina Kawasaki AutoRaceUBE YIC AW EJの2台だった。