日立レール、イタリアの高速鉄道路線向けデジタル信号化契約に参画

日立レール(日立製作所の鉄道システム事業におけるグループ会社)が参画する共同企業体「IRICAV DUE コンソーシアム」は、このほどイタリアの高速鉄道路線向けデジタル信号システムを受注したと発表した。


イタリアのヴェローナとパドヴァを結ぶ高速鉄道のうち、ヴィチェンツァ近郊の路線区間約6.2kmの線路とデジタル信号システムを設計・導入する契約となる。「IRICAV DUE コンソーシアム」は、日立レールとイタリアの「Webuild Group」で構成される。今回、イタリアの鉄道インフラを管理する企業「レーテ・フェロヴィアリア・イタリアーナ」から約2,800億円で受注した。2020年8月に、コンソーシアムとして約3,700億円超で契約した第1期工事(ヴェローナ～ビヴィオ・ヴィチェンツァ間)の受注に続く契約となる。



日立レールはこの契約にもとづき、欧州共通の列車制御システム(ERTMS)レベル2を納入する。ERTMSは、列車と地上設備の間で無線通信して速度を監視し、危険を察知した場合や制限速度を超えた場合に列車の非常ブレーキを自動的に作動させるシステム。これにより、列車間の間隔を少なくし、より多くの列車を安全に運行することが可能になるという。各国の鉄道網で列車制御を簡素化・最適化することで、国境を越えた鉄道運行にも対応する「画期的なシステム」と説明している。（佐々木康弘）