新婚旅行で相手の知らなかった一面を見て幻滅し、別れることを“成田離婚”なんて言うが、友人同士の関係性でも似たようなことがあるようだ。
東京都の30代前半の女性(事務・管理/年収500万円)は、友人とグアム旅行をきっかけに絶縁したという。きっかけは、女性がその友人にお金を貸したことだった。
「一緒に旅行に行かなかったら、お金を貸さなかったら、同期の友人としてずっと付き合えたかもしれないと寂しく思います」
と後悔をにじませる女性に、編集部が詳しく話を聞いた。
「このバッグあげるからいいでしょ」と借金を踏み倒そうとされた
10年前に女性は、中途入社した同期の女性たちと4人でグアム旅行をしたという。
「毎日ランチを一緒に食べている仲でした。中途採用の私たちは同期が数人しかいないため、年齢は異なりますがお互い節度をわきまえて、いい距離感で付き合っていたと思います」
と会社では良好な関係を築いていた。ところがそのうちの1人である「同期の友人」の「厄介な面」を旅行中に初めて知ることになる。
友人が帰国時の空港の免税店で、
「クレジットカードをスーツケースに入れてしまったのでブランドバッグが買えない。クレジットカードを貸して」
と頼んできた。
バッグは日本円で7万円ほどだったので、現金ではなく「クレジットカードを貸して」の方が言いやすかったろう。しかし女性にしてみれば現金を貸すことと同じだ。高額であることを理由に断ると、友人は、
「あなたのせいでブランドバッグが買えない。欲しかったのに、海外旅行の楽しかった気分が台無し」
と、あろうことか女性を非難してきたという。根に持たれて帰国後もネチネチと言われ続けたら堪ったものではない。おそらく女性もそう考えたのだろう。観念し、といっても渋々とではあるが、クレジットカードでブランドバッグの会計を済ませた。
海外でクレジットカードを使うと、海外利用手数料が1%後半から2%ほどかかる。クレジット会社が決めた為替レートが適用されることも併せて、女性は友人に事前に説明した。
それにも関わらず、帰国後に届いたクレジットカードの請求書を見せて、返金をお願いしても友人は「高い」と払わなかった。しかも、「帰国直後は自慢げにバッグを持ち歩いていた」が、請求書が届いた頃には使わなくなり、挙げ句の果てに「このバッグあげるから(お金を返さなくて)いいでしょ」と恥ずかしげもなく女性に言ったというのだ。
「両家挨拶や式場予約に高級バッグが欲しかったが、結婚準備でお金がかかった」から?
困った女性は他の同僚たちに相談した。同僚たちは、友人にお金を払うよう説得したが、友人は1000円、2000円と、そのとき手元にあるお金を渡すだけで、逆ギレしてきたという。
それがある日、事態は急展開することになる。女性と同僚たちがエレベーターで友人と乗り合わせた時のこと。そこには友人の彼氏である会社の先輩も同乗していた。すると同僚の1人が友人に向かって、「そのブランドのバッグの代金を返しなよ」と、彼氏の前で言い放ったのだ。こうして女性は全額を返してもらえた。
友人は「結婚準備で両家挨拶や式場予約のために高級なバッグが欲しかったが、結婚準備でお金がかかった」などと言い訳をしたが、女性は許せずに絶縁。その後、友人は社内恋愛を成就させ寿退職したが、女性は、
「彼女の夫を社内で見かける度に、海外旅行に行くほど仲が良かったのに絶縁した苦い思い出として当時のことがよみがえります」
と複雑な心境を打ち明けた。また「一緒に旅行に行かなかったら、お金を貸さなかったら…」と悔やむが、どうやら始まりから曰く付きの旅行だったようだ。
グアムでふてくされる友人に「皆で気を使って疲れました」
友人の無茶苦茶なエピソードはほかにもある。女性が同期たちと4人でグアムに行く前に話は遡る。
「『一緒に海外旅行に行ってみたいね』と話が盛り上がり、グアムへ行くことになりました。しかし、ツアー代金の他に、パスポート取得、スーツケース購入など費用がかさみ話は立ち消えになりました」
ところがその数か月後に、友人がツアーと日程を決めて、「グアムに行くって言ってたよね」と強引に話を進めたことから実現したという。
「後から思うと、彼女は結婚が決まっていて、独身最後の旅行をしたかったようです」
ここでも友人の強引さや身勝手さが目に余るが、案の定、旅行中も友人の言動にだいぶ振り回されたようだ。
グアムの免税店で単独行動していた時に、同僚の1人がお笑いタレントを見かけたという。それを後から聞いた友人は、「なんで早く言わないの?」と興奮状態になり、友人はショッピングバッグを預けて走って行った。
20~30分経っても戻らないので女性と同僚たちは手分けして探すと、なんと友人は買い物をしていた。「みんな心配して待っているよ」と言われても謝りもせず、「せっかく芸能人と知り合えるチャンスだったのに」「チャンスをつぶされた」といつまでも同僚を責めていたという。食事の間もむくれていたため、「ファンだったの?会えなくて残念だったね」と慰めの言葉をかけると、友人は「まさか~、ファンじゃないよ」と言い周囲を驚かせたのだとか。
「彼女はキレイなので、レストランでもビーチでも彼女だけが海外の男性に声をかけられます。しかし、英語が話せないので他の人が会話をすると面白くないようで、ふてくされます。機嫌が悪くなるので、皆で気を使って疲れました」
そんな友人には、社内であだ名が付けられていたと、最後に女性は振り返る。
「IT系の会社で、入社1年目にITパスポート試験を全員が受験するのですが、彼女だけが体調不良で受けませんでした。教育部門の上司が怒り、自費で受験して合格するように毎月彼女に言い続けましたが、彼女はどこ吹く風という表情で、1年間無視し続けました。『鉄のメンタル』というあだ名が付けられ、ある意味すごい人だと思いました」
誰に何を言われても動じないのは結構なことだが、本来なら良い意味で使われるが、借金を踏み倒そうとしたことも、ある意味で友人はあだ名通りの人物だったというわけか。
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