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8号車ARTA MUGEN NSX-GTには誰が乗るのか。気になる大湯都史樹と木村偉織に聞く

2023年08月04日 21:01  AUTOSPORT web

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2023スーパーGT第4戦富士 ドライバーブリーフィングに参加する大湯都史樹(ARTA MUGEN NSX-GT)
 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が行われている7月14日に発表された大湯都史樹の右側鎖骨骨折による欠場。あれから3週間が経過して迎えた2023スーパーGT第4戦『FUJI GT 450km RACE』が8月5~6日に静岡県の富士スピードウェイで開催される。スーパーGTでは8号車ARTA MUGEN NSX-GTをドライブする大湯は、今回のレースには出場できるのだろうか。本人に聞いた。

 スーパーフォーミュラ第6戦富士の走行前日に所属するTGM Grand Prixから突如として発表された大湯の右側鎖骨骨折による欠場。トレーニングの一環としてスカッシュをしていた際に「良くないかたちで」転倒してしまったため手術を行い、全治3カ月ということを明かしていた。

 迎えた2023スーパーGT第4戦富士の金曜搬入日、大湯はおなじみのおしゃれな格好に加え、右腕にギプスをしていない状態でサーキットに現れ「怪我は順調に治ってきています」と現在の状態を語った。

「一応手術をしているのでギプスは装着しなくても大丈夫です。万全というわけではもちろんありませんけど、明日の土曜日には出場するつもりで動いています」

 大湯によると、富士スピードウェイやレースドクターからの参戦許可は降りているとのことで、あとは「実際に乗ってみて」決勝レースに出場するかの判断を下すという。

「明日乗ってみて、今後のレースに響くような雰囲気だったら(出場を)断念します。でも、どれくらい自分がパフォーマンスを出せるか分からないですけど、できる限り『意地でも乗る』方向で進めたいと思っています(笑)」

 決勝レースに向けて出場意欲が高い大湯。その理由のひとつとして、第4戦富士での8号車はサクセスウエイト22kgと軽く優勝候補と目されることに加え、第1戦岡山の3位表彰台以降、第2戦富士と第3戦鈴鹿をノーポイントで終えている8号車にとって、この第4戦はチャンピオンシップ争いでも重要なレースとなる。

 大湯自身もそのことは理解しており「大事な場面でもあるので抜けるわけにはいかない」と意気込む。しかし、ARTA MUGEN陣営は今回の第4戦に向けて木村偉織を第3ドライバーとして登録し、“万が一”の場合に備えている。

■乗る準備は当然できていると木村「不安と言っているようではダメ」
 その木村は、第3ドライバー登録が決まった経緯について「大湯選手の怪我が治るか治らないか分からないという状況で、第3ドライバー登録だと、いろいろとやりやすいので『登録しよう』と声をかけていただきました」と振り返り、国内トップカテゴリーであるGT500クラス参戦の嬉しさを続けた。

「本当に身の引き締まる思いです。やはり日本のトップレースであるスーパーGTに参戦したいですし、トップカテゴリーのGT500に乗りたいと思っていました。そこに第3ドライバーというかたちですけど、名前を並べることができたのは純粋に嬉しいです」

 すでに2022年のスーパーGTにおいて、GT300クラスへの参戦経験を持つ木村は、昨年の最終戦もてぎでは涙の初ポールポジションから嬉しい初優勝を飾っており、実力としては申し分のない存在。しかし、今季はスーパーGTのレギュラーシートを掴むことができなかったため、ARTA MUGEN陣営に帯同している状況だ。

 第3ドライバーというかたちではあるが、大湯に万が一のことがあれば木村が第4戦に参戦することになり、初のGT500クラスでのレースを迎える。木村にとってGT500マシンは、まったく初めての車両となるものの、木村は自信を覗かせる。

「何とかなるのではないかなと思ってます。といいますか、何とかしないとプロではないです。まだ育成という立場ですけど、将来的には先輩のようなプロドライバーになりたいと思ってやっています。それで不安と言っているようではダメです」

「乗る準備は当然できていますし、結果はそのときのレースの状況によって変わってくる部分もあるとは思いますけど、大丈夫だと思っています」

 なお、大湯によると8号車陣営は“3人ローテーション”の戦略は「ロスが大きそう」との理由で現時点では考えていないとのこと。必勝&タイトル獲得を狙って今季の大幅な体制変更を行ったARTA MUGEN。ここまで目立つ成績を残すことができていないものの、この第4戦では土曜予選日から注目の存在になりそうだ。