仕事においてトラブルや失敗はつきものです。どれだけ気をつけているつもりでも、思わぬところでミスをしたり、時には防ぎようのない災難がふりかかってきたりすることもあります。
そこで、百戦錬磨のベテランITエンジニアたちが実際に経験したトラブルや失敗のエピソードをご紹介します!
40代のフリーランスエンジニアのSさんは以前、教育系のBtoCサービスの開発を担当していました。あるとき、新しい料金プランのシステムを開発してリリースしたのですが、テスト環境に入れていたとんでもない文字がそのまま出てしまい……。(取材・文:はっしー)
社長からの電話「トップ画面に“UNKO”って出るんだけど?」
「新しいプランを開発して、金曜日の夜に本番公開して帰宅したときのことです。帰宅途中の電車で急に社長から電話がかかってきたので、あわてて電車を降りました」
社長に電話をかけ直すと「試しに新しいプランに登録してみたら、トップ画面に“UNKO”って出るんだけど?」と言われました。確かにこれはヤバいです。一体何があったでしょう。
Sさんいわく、旧プランと新プランの画面の見た目がほぼ同じ。そのため、新プランになったことがはっきりと分かるよう、テスト環境では画面上に「UNKO」と表示されるようにしていました。もちろん、本番リリース前には削除するつもりでいました。
しかしリリース時に忘れてそのまま一般公開してしまい、本来は出てはいけない文字が出てしまった……ということでした。エンジニアなら聞いただけで冷や汗が出るような話ではないでしょうか。
駅のホームで緊急デプロイ!
「駅のホームのベンチで急いで対象箇所を修正して、その場でデプロイを行いました。人生初の緊急デプロイを駅のホームでする羽目になったのが、今でも印象に残っています」
幸いなことに社長がすぐに気づいたので、一般ユーザーで“UNKO”の文字列を見た人はごく僅かでした。Sさんは次のように語ります。
「大きい機能のリリースは月曜日の午前中にして、トラブルが発生した場合にもすぐ対応できるようにしておくことが重要だと痛感しました。ただ、そもそも“UNKO”なんて入れたのがダメでしたね……」
この“休日前のリリースは避ける”というのは身につまされる話です。筆者もシステムエンジニア時代、無理やりリリースを金曜日にしたおかげでなんども休日出勤した覚えがあります。
そして、テスト用だからといって“UNKO”はやめましょう! 何か入れるにしても“KONEKO”とか無難なワードにして万が一、表に出てしまったときのダメージを最小限にするようにしましょう(笑)