トップへ

統一教会の献金被害交渉、調停へ移行 弁護団「ほぼゼロ回答の対応、極めて不誠実」

2023年07月31日 18:11  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への献金被害を訴えてきた108人が7月31日、教会側に対し、返金や慰謝料など計約35億7700万円の損害賠償を求める調停を東京地裁に申し立てた。全国統一教会被害対策弁護団(団長・村越進元日弁連会長)が同日、発表した。


【関連記事:「16歳の私が、性欲の対象にされるなんて」 高校時代の性被害、断れなかった理由】



2023年2月以来、裁判手続きによらない迅速な解決を求めて、1次~4次と集団交渉を続けてきたものの、実効的な回答は得られなかった。



事務局次長の阿部克臣弁護士は「各地区の『信徒会』を称するダミー団体からの回答ばかりで、本部がその責任に向き合っていない。20年の消滅時効を中断する目的もある」と理由を述べた。



●90代の被害者も…「時間がない」

弁護団によると、申し立てた108人の中の最高齢は90代だという。被害を受けてから20年以上が経過している人や困窮を極める人も含まれており、早期の解決を求めている。



事務局長の山口広弁護士は「集団交渉では話にならず、書類の出し合いをしても時間の無駄。教会側は『信徒会』を通して、純粋な信仰心に基づいた献金などと回答し、逃げ口上を今でも繰り返している」と厳しく批判した。



これまでの半年間で、統一教会には面談での話し合いを求めたが実現していない。教会側は「面談したところで、せいぜい世間向けのパフォーマンスになる程度」と回答。献金記録の開示も拒否しており、事務局次長の川井康雄弁護士は「らちがあかない。極めて不誠実だ」と話していた。



また、弁護団は活動資金として800万円を求めていたクラウドファンディングを達成したと報告した。8月31日まで引き続き、募集している。