日本は狭しと言えども、東と西では言葉も食べ物もだいぶ違う。今回は、福岡県出身者が「東京に来て驚いたエピソード」を紹介しよう。
福岡県の70代男性(事務・管理/年収250万円)が上京したのは1972年のことで、「当然リンガーハットはない」と振り返る。
「ちゃんぽんは御茶ノ水駅近くの食堂のメニューにあったので、頼んだら全然違ったものが出てきた」
当時は店でちゃんぽんもどきを出しても、お客に文句を言われることがほとんどなかったのかもしれない。なぜなら長崎ちゃんぽんの専門店「リンガーハット」が全国展開を開始した1977年より前に、東京でちゃんぽんを知らない人は多かったであろうから。
男性はまた、沖縄ちゃんぽんを注文したこともあったのか、沖縄ちゃんぽんは麺ではなく、ご飯ものであることにも驚いたようだ。
うどんについても、白だしを使いスープの色が薄い関西風と違い、醤油ベースの関東風は、
「うどんのスープが真っ黒で驚いた」
という。東京へ来て、男性が受けた衝撃はこれだけではなかった。(文:谷城ヤエ)
「めんたいという言葉が通じなかった。同じ日本なのに驚きました」
さらに男性は、
「ゴマサバがない。サバの刺身もない。出てくるのはシメサバばかり。福岡ではどこでも食べられるのに」
と綴る。
男性の言うゴマサバとはサバの種類の方ではなく、胡麻サバという福岡の郷土料理で、新鮮なサバの刺身を醤油やみりん、すり胡麻などで作ったタレに漬け込んだものだ。その他にも、戸惑ったことがあったという。
「めんたいという言葉が通じなかった。方言と知らずに使った言葉が通じなかったことが多々ある。同じ日本なのに驚きました」
「はんぺんがでかくて、おでんにぷかぷか浮いているのが衝撃的でした」
福岡県在住の50代前半の女性(医療・福祉・介護/年収100万円未満)が上京した驚いたことは、
「マルタイ棒ラーメンがなかったこと。もちろん、マルタイのちゃんぽんカップラーメンもなかった」
という。マルタイとは、福岡を中心に棒ラーメン、カップラーメン、袋ラーメンを製造販売している食品メーカーで、九州で知らない人はいないようだ。
また女性は、当時は「ブラックモンブラン、ミルクック、アイスまんじゅう」といった九州出身者にはお馴染みのアイスもなかったことに驚いたという。
「なにより、はんぺんがでかくて、おでんにぷかぷか浮いているのが衝撃的でした。長崎出身の私は、はんぺんといえば、ピンクやミドリの薄い蒲鉾。ちゃんぽんにいれる、はんぺんなので、おでんにぷかぷか浮いているのはびっくりでした」
と当時の衝撃を綴った。
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