苦労して手に入れた念願のマイホームを「道路族」のせいで泣く泣く手放した――。そんな気の毒なエピソードを語るのは岡山県の40代女性。道路族とは、住宅地の道路で大騒ぎして遊び、騒音や物損被害をもたらす子どもや、それを注意しない親のことを言う。
女性は2010年頃、新興住宅地の建売住宅を3000万円強で購入した。子どもはおらず、夫婦二人暮らしのおだやかな生活が始まるはずだった。ところが暮らし始めると、
「家の前の狭い私道が近所の子どもたちの遊び場になっていました。早い時は朝8時から、遅くて夜11時頃まで、多いときで20人くらい子どもが集まって騒ぎ走り回っていました」
という問題が浮上した。編集部では女性に取材を申し込み、話を聞いた。
「停めている車に傷をつけられたりボールをぶつけられたり」
「20人くらい」とはなかなかの数だが、どんな年齢層の子どもが夜中まで集まって何をしていたのだろうか。
「集まっていたのは未就学児から中学生くらいまでです。夜中まで走り回ったり自転車に乗ったりしていました。お隣のお子さんは野球をやっていて、休日や夜は道路でバッティング練習をしていました。家の前が駐車場になっていて、駐車するのに子どもたちが危なくてヒヤヒヤするし、停めている車に傷をつけられたりボールをぶつけられたり。本当に気が休まりませんでした」
車は「大きな傷ではなかったため修理はしていません」というが、はっきり犯人を特定することは難しいだろう。他の周辺住民は困っていなかったのだろうか。
「近所付き合いがほとんどなかったのと、近所のほとんどの家庭に小さな子どもがいたので直接聞いたことはありません。でも、困っているのはうちだけではないと耳にしたことはありました」
子どもがいない家が少数派の地域で、女性は他の住民と話し合うこともできず相談先は限られていた。
「自治会長さんにご相談したくらいですが、『注意喚起の回覧を回すくらいしかできない』と言われました。学校にも連絡しましたがいずれも効果なし。警察を呼ぶのは大げさかと思ったのと、うちが呼んだことがわかってしまう恐れもあり呼べませんでした」
と八方ふさがり。付き合いはないものの、やはり相手は「ご近所」のため気を遣う。警察を呼ぶまではできなかった。
「結局10年近く我慢しましたが、精神的に追い込まれて……」
では、夫は近隣に苦情を言うことはなかったのだろうか。聞けば、
「主人も多少は気にしていたようですが、日中は仕事で家にいないため、リモートで働く私ほどではなかったようです」
と多少の温度差があったようだ。確かにずっと在宅で仕事をする方が辛いだろう。朝は未就園児、午後は小学生、夜は中学生とひっきりなし遊ぶ声や音がすれば、仕事の集中力も削がれてしまう。
「結局10年近く我慢しましたが、精神的に追い込まれて耐えきれず、静かな田舎へ引っ越しました。高い買い物だったと後悔しています」
と話す女性。「現在は賃貸物件を借りています。前の家は時間がかかったものの、売れました」と寂しげに打ち明けた。
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